ブロックチェーン技術のユースケースの中には出現が約束されていたものもあれば、フィンテックの分野でまだ開拓中のものもあり、健康、エンターテインメント、公共関連のセクターなどもその中の一つだが、いまだ事前情報以外の具体的なものが出てきていない。
ビットコインのブロックチェーンは、金融サービス業界を13兆ドル規模の市場へと変貌させたと言われている―世界中を跨ぎ、仲介業者をはさむコストなしに即時決済を可能したためだ。
ブロックチェーンのコントロール
プルーフ・オブ・コンセプトやその技術を活用するプロジェクトに投資してきた企業がいくつかある。
例えば、ブロックチェーンが金融サービスの在り方を如何にして変えることが出来るのか、その中身に野心的に注目している例として、世界経済フォーラムは、金融インフラの未来のレポートの中で、過去3年間で1億4,000万ドル以上がブロックチェーン技術に投資されてきた点に言及している。
しかしながら、こういった将来の見通しに関わらず、とある南アフリカにおける業界のリーダーが、後々、生産革新が起こる可能性に言及しつつも、ブロックチェーンの利用を促進する多くの努力は水の泡になってしまうだろうという見解を語っているのだ。
ブロックチェーンによるソリューションやサービスを提供しているBankymoonのLorien Gamaroff CEOは、早期段階でどうブロックチェーンが既存のビジネス・プロセスに組み込まれるのかはっきりしていない点に言及し、唯一確かなユースケース、そして実際に運用されている実例として、分散型通貨としてのビットコインと、その根幹技術であるビットコイン・ブロックチェーンを挙げた。
彼がLinkedInで語った内容はこうだ―
ブロックチェーンを実際に実用的に運用し、実証している例はビットコインだけです。7年間も機能し続けています。現在まで、これだけきちんと運用されて成功を納めた明白なユースケースは他にはありません。
さらにこうも語っている―
「ブロックチェーンは実験的な技術です。本番環境で実行され、導入されているものは一切ありません。ブロックチェーンを利用したビジネス・ケースを見つけるのは容易ではありませんでしたし、すべての可能なユースケースを探すとしても、通常、より上手く問題を解決してくれる技術が既に存在しているものです。中にはブロックチェーンによって新たな問題が生み出されていると評している人もいるくらいですから」