ビットコイン(BTC)価格は9,200ドルを下回っている。9,200ドルは5月後半から主要なサポートレベルとして機能していた。マーケットアナリストのコール・ガーナ―氏は、BTCが7,000ドルまで下落した場合、長期的には10,000ドルを下回る最後の下落になる可能性があると述べている。
出典: Cole Garner BTCがグリーンライン以下まで下落する可能性があるという
オンチェーンデータを分析するガーナー氏は、次のように述べている。
「テクニカル的にはまだ強気の領域にある。VWAP(グリーンのレベル)以下に下抜ければ、ジューシーな買いの機会だ。10,000ドル以下では最後のBTFD(押し目買い)になる可能性がある」
トレーダーが短期的に悲観的な理由は?
仮想通貨アナリストは、短期的にビットコインに慎重な姿勢だ。それには4つの理由があるようだ。マイナーによる売り圧力の増大、株式市場の不確実性、重要な価格帯での保ち合い、そしてボラティリティの低下だ。
5月11日の半減期以来、マイナーはマイニングしたBTCの多くを売却している。マイナーによる売り圧力への懸念は新しいことではないが、CME市場でのショート偏重といったほかの懸念要因と複合しているため、トレーダーからの一時的な反落予想につながっている。
ガーナー氏は次のように説明している。
「トレーダーのCMEへのコミットメントは、機関投資家がBTCではショートに大きく傾いており、それが何週間もつづいていることを示唆している。彼らは、最後にBTCが同じ価格でホバリングしていたときに、このようにショートに傾いていた」
ビットコインオプション市場のデータは、この見方をサポートしている。6月26日、ビットコインオプション市場は、6億7500万ドル相当のオプションが期日を迎えた。ただし、現在のところ、BTC価格ではボラティリティの急上昇とはなっていない。これは、BTCが9,000ドルから10,000ドルの狭いレンジにある時に、ほとんどのオプションが行われたことを示している。
現在、ビットコインオプション市場は中立だが、CME先物市場はショート偏重となったままだ。加えて、マイナーは6月19日以降、マイニングした分よりも多くのBTCを売却しており、トレンドが悲観的になる可能性がある。
出典: ByteTree
それでもアナリストは中長期的でポジティブ
ガーナー氏は、長期的にはBTCは強気市場であると主張している。フィデリティによるサポートの拡大や機関投資家の参入といった、楽観的な業界の発展に加えて、主要なマクロ指標についても指摘している。
さらに、仮想通貨市場のマイナーの降伏を段階的に評価するハッシュリボンは、上昇傾向を示している。過剰なレバレッジをかけたマイナーと投資家が整理されることで、マイナーの降伏はビットコインの底値を付けるきっかけいになる。
ガーナー氏は、ハッシュリボンの買いシグナルに注目し、中長期的にビットコインは強気と予想する。
ファンダメンタルのファクターが強くなれば、マイナーが最終的に半減期から回復し、ビットコインが反発し始めるとみている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン