OasisProtocolブロックチェーンを活用するベンチャー企業OasisLabsは、BMWグループと共同で構築した新しいデータプライバシープロジェクトを発表した。

今週に発表された両社のコラボレーションは、取得できる情報とその方法を制限しつつ、個人データにアクセスする新しい方法を構築することを目的としている。

Oasisは、この制約されたアプローチを「差分プライバシー」と呼んでいる。これは、特定の個人に関する情報を取得するために集計データを操作できないことを保証するための試みだ。たとえば、データセットにある値の平均とその平均を構成する参加者の数が含まれている場合、平均読み取り値の変化を追跡することで、単一の新しいエントリの匿名化を簡単に解除できてしまう。

Oasisのソリューションは、個々のクエリを書き換えて、もとになるデータを難読化する。同社によれば、絶対値、乱数生成、自然対数、符号関数などの基本的な数学関数のセットをサポートするデータベーステクノロジーが、差分プライバシーソリューションで使用されている。

BMWとのコラボレーションにより、企業環境で差分プライバシーソリューションが実装されることになる。コラボレーションは初期段階にあるが、目標はBMWグループの内部管理システムで差分プライバシーのアプリケーションをテストすることだ。これにより、プライバシーを保証しながら、内部チームと外部パートナーの両方がデータにアクセスできるようになる。このテストは、Oasis Protocolブロックチェーンを含まず、パーミッション型の台帳で実行されるという。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン