北欧ノルウェーにあるLiberstad(リバースタッド)と呼ばれる自由都市が先日、独自の支払い手段として仮想通貨「City Coin(シティコイン)」を採用すると発表した

リバースタッドは、「無政府資本主義者」の都市と呼ばれ、NPOのリバースタッド・ドリフト協会が立ち上げたプライベート都市。政府の介入を受けずに自立した都市の形成を目指すという。リバースタッドの土地はビットコイン(BTC)かノルウェーの法定通貨クローンで2017年に売りに出され、去年4月までに約100人の応募があったとそうだ。

リバースタッド・ドリフト協会のトップであるジョン・トラルフ・ホルムスランド氏は、リバースタッドについて次のように述べた。

「我々は、人々が自分たちのために自分たちで意思決定を行い、政府機関なしで共存できる社会を作りたい。我々は、政府による強制、脅迫、監視、もしくは不必要な暴力なしの社会を作りたい」

リバースタッドが目指すのは、独自のブロックチェーン「シティチェイン」を基盤にしたスマートシティ。市民IDの管理や投票、不動産の登録、保険の契約など全てがシティチェインを通して行われるそうだ。

今回発表された仮想通貨「シティコイン(CITY)」は、その都市構想の要となる公式の支払い手段。法定通貨は禁じられることになる。シティコインは、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)のアルゴリズムを採用。 ビットコインなどが採用するPoW(プルーフ・オブ・ワーク)より「環境に優しく、高性能のマイニング機を持っていなくても簡単に参加できる」としている。

シティコインは、市のサービスへの支払いや賃金支払い、市のプロジェクトへの資金提供など様々な手段として使われる見込み。もちろん「散髪、地元産の卵、美味しパン」などの購入にも使え、まさに「ブロックチェーン技術を現実世界で使うという面でマイルストーン」になるという。

18日付のBits.mediaによると、先述のホルムスランド氏は、次のように述べた。

「 ブロックチェーン技術は、持続可能で自由な都市コミュニティの発展と繁栄に欠かせない要素です」

翻訳者 ロシアンOLちゃん
14歳の時に来日してから日本が好きになり、日本語の勉強を始める。大学卒業後、商社、PEファンドなどを経て、現在ではブロックチェーン産業に携わり、SNSでロシアや欧州のブロックチェーン、クリプト情報を発信している。