公正取引委員会が銀行間送金についての実態調査を始めた。日経が7日に報じた。現在の銀行間送金のシステムが、決済事業への新規参入を阻害していないかどうかを調べることになるという。

銀行口座間の送金は「全銀システム」を通じて行わるが、公取は全銀システムへの接続状況や送金手数料の決め方について調査する方針だ。日経によれば、公取側は、金融機関以外にとって利用が難しいことや手数料が高いことを問題視している。

現状では、新興のフィンテック企業が全銀システムに接続しようとしても、加入時には多額の費用がかかり、スタートアップには難しい状況だ。

また資金移動業を手掛けるフィンテック企業でも、銀行口座と紐づける場合には、送金や資金の出し入れに手数料が掛かることになる。「銀行間送金の手数料が下がらなければ利用者の恩恵は限られてしまう」と日経は指摘している。

リップルのリップルネットやODLをはじめとして、仮想通貨・ブロックチェーンを使った送金システムの試みは広く行われている。日本でもSBI傘下のマネータップがリップルのシステムを使った送金サービスを進めている

またフェイスブックが主導する仮想通貨リブラも、従来のレガシーシステムではない形で、海外送金や個人間送金を目指す取り組みでもある。

今回の公取の調査をきっかけに、送金分野でのブロックチェーン活用や、全銀ネット以外の新しい送金システムの活用にも注目が集まるかもしれない。