NFT(ノンファンジブル・トークン)取引プラットフォームであるキュリオ(Curio)は、人気ドラマ「アメリカン・ゴッズ」のNFTを使ったデジタルコレクティブルの作成を行なっていると明らかにした。キュリオのジュアン・ヘルナンデスCEOによると、主流メディアでNFTが採用される初めての事例になるという。

アメリカン・ゴッズは作家ニール・ゲイマン原作。米国のケーブルテレビStarzで放映されており、日本ではAmazonプライムで視聴できる。ヘルナンデスCEOによると、英国の巨大メディア企業フリーマントル社と協力して、すでに正式ライセンスを受けたという。

「メインストリームメディアでNFTが採用される初めての事例であり、大手ブランドがより幅広いデジタル戦略の一環としてNFTを採用し始めていることを示す」

NFTとは代替不可能性を持つことで、デジタル上で所有権を証明できる。ヘルナンデスCEOは「NFTはブロックチェーンを使ってデジタルアイテムの希少性を証明できる」という利点がありながらも、NFTは現在「デジタル・ビーニー・ベイビー(デジタルで製作されたおもちゃ)」に過ぎないと捉えられており、収集以外の用途が限られていると問題視。しかし「我々は以前には不可能だったデジタルの体験をNFTによって生み出し、ファンのエンゲージメントを近代化する可能性がある」と今回の取り組みの意義を強調した。

最近ではNFTを使ったデジタルアート市場が注目を集めている。昨年秋にアーティストのマット・ケイン氏によるデジタル・アート「Right Place & Right Time」が10万ドル以上の値をつけた。またNFTトレーディングカードゲームのNBA Top Shotでは売り上げが245億円を突破している

こうしたNFTへの関心の高まりについて、ヘルナンデス氏は「世界のデジタル化が進んでいることが要因」という。「物理的なものからデジタルへの移行は世代間のトレンドだ。さらに新型コロナウイルスによって、人々が家に留まる時間が増えたことで、このトレンドを加速させた」と指摘した。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン