非代替可能トークン(NFT)のコレクターが、高級腕時計を担保にした分散型金融(DeFi)ローンがNFTを介して実現したエピソードを公開した。

7月11日、匿名のDeFiプロジェクトアドバイザーであるCirrusNFT氏は、あるユーザーが物理的なアイテムを表すNFTを担保にして別のユーザーから3万5000ドル(約488万円)を借りることができた方法を説明した。

CirrusNFT氏によれば、ユーザーはパテック・フィリップの高級腕時計を、物理的なアイテムに裏打ちされたNFTを扱うエスクロー会社である4Kプロトコルに送付した。同社からは、その時計の所有権を表すNFTが送り返された。

そのNFTはDeFi貸付プロトコル「アーケード」に掲載され、貸し手は借り手に対して自分たちのオファーを提示した。ユーザーは最も良いローンオファーを受け入れ、その後NFTはエスクローウォレットに送られた。そこでローンが全額返済されるか、借り手がデフォルトするまで保管される。借り手がローンの返済に失敗した場合、NFTは貸し手に授与され、そのNFTを焼却することで時計を受け取ることができる。

Patek Phillipe watch used as collateral for DeFi loan. Source: Arcade.xyz

CirrusNFT氏は、このプロセスを通じて、ユーザーは完全な匿名性を保ちながら貸し借りが可能になると説明した。貸し手と借り手は、プロセスを進めるためにお互いに名前を出す必要はない。さらに、このシステムは人々がよりグローバルな流動性にアクセスでき、より競争力のあるレートを提供する可能性があると同氏は考えている。

一方で、この新しいローンの方法を歓迎する声もあれば、それが中央集権的であり、必要のないところにNFTを追加していると考える人もいる

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン