ビットコイン(BTC)は第4四半期に向けて再び強い上昇局面を迎える可能性があるが、その前に押し目となる局面が訪れるかもしれない。
その重要な手がかりとなるのが、信用市場のストレス指標とされる「ICE BofAオプション調整スプレッド(OAS)」だと、アルファラクタルの創業者ジョアン・ウェドソン氏は述べている。
OASとは、投資家がリスクの高い社債を保有するために要求される追加利回りのこと。過去には、このスプレッドが急騰したタイミングが、ビットコインの局所的な底値となることが多かったという。
現在のOASは比較的落ち着いた水準にあり、市場は次の金融ストレス局面をまだ織り込んでいない可能性がある。ただし、次の四半期で流動性が引き締まれば、OASの拡大──つまり信用市場の不安──が起こり、ビットコインの買い増しフェーズを再び呼び込む可能性がある。
こうした見方を裏付けるのが、米国のマクロ経済の状況である。米国の政府債務は37兆ドルを突破し、利払いは1日あたり26億ドル以上に膨らんでいる。信用格付けの引き下げも財政の持続性への懸念を映し出している。
さらに、10年物米国債利回りは1年前の3.9%から現在は4.3%に上昇しており、経済全体の借入コストを押し上げている。
ウェドソン氏は、「こうした財政ストレスと金利上昇の組み合わせは、いずれ伝統的市場を揺さぶる要因になる」と予測し、「その結果、ビットコインが代替資産として注目を集めることになるだろう」と語っている。
「激しい弱気市場は遅かれ早かれ訪れる。ただ、その前に市場が熱狂に包まれる公算が大きい。2026年以降は米国経済にとって非常に厳しい時期になると考えている」と同氏は付け加えた。
ストラテジー社が5100万ドル分のBTC追加購入
機関投資家による買い意欲も依然として根強い。ビットコインの長期保有戦略で知られるストラテジー社は、日曜日に430BTC(約5140万ドル)を平均取得単価11万9666ドルで購入したと発表した。これにより、同社の保有総量は62万9376BTCとなった。
ただし、オンチェーンデータは一部の大型保有者による売却傾向を示している。1万BTC以上を保有するメガホエールアドレスの数は、2025年に入って最低水準まで減少しており、7月中旬以降、30日間平均で一貫して減少傾向にある。
さらに、1000〜1万BTCを保有するホエールアドレスも減少しており、直近の高値を受けた利確が進んでいる可能性がある。
市場にさらなる波乱を加える動きとして、3〜5年間移動のなかった約3万2000BTC(約37億8000万ドル相当)が一括で移動された。これはこの年齢帯のコインの移動としては1年以上ぶりの規模となる。
このように、機関投資家による継続的な買いが見られる一方で、大口保有者の一部は利確に動き始めており、加えて長期保有されていたコインの移動も観測されている。これらの要素は短期的な調整圧力を生む可能性があり、市場のボラティリティを高止まりさせる要因となっている。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
bitbankで新規口座開設後、1万円の入金でもれなく現金1,000円プレゼント!【PR】