7月にあった参議院選挙で日本維新の会から初当選した音喜多駿議員。当選後にツイッターで仮想通貨行政に取り組む意向を表明した。

これまで藤巻健史氏が取り組んできた仮想通貨行政に対し、音喜多議員は何を目指すのか。「日本は自律分散型社会に目覚めなければいけない」「野党は仮想通貨を学ぶべき」という音喜多議員にコインテレグラフ日本版がインタビューした。


iDeCoやNISAと同じように仮想通貨に節税メニューを

今年3月にあった統一地方選挙の北区長選挙でも政策の一つとして独自通貨「北区コイン」の発行を掲げるなど、地方分権論者である音喜多議員は円とは異なる経済圏を目指す姿勢示している

「今、経済を回すには日本銀行券を発券しなければならないが、自治体が独自の仮想通貨を発行して、日本円と連動しないような独自経済圏ができてもいいんじゃないかと思っています」

こうした独自経済圏を目指すためにも、藤巻氏が取り組んできた税制改革について、「雑所得などの税率を解決するというスタンスは全く同じ」とし、「金融庁はiDeCoやNISAに力を入れているが、仮想通貨も同じように節税メニューに加えるべきということを訴えていきたい」として普及を後押しする姿勢を示す。

音喜多議員は現在の税制では仮想通貨の普及が難しいと認識している。金融庁が消極的な姿勢を示していることも課題としている。

「金融庁はトラブルが起きないようにすることに主眼を置いている。ここを戦っていかないと日本は世界に置いていかれてしまう」

そして、税制とともにユースケースも同時に注力していく必要がある。

まずは地方の自治体で特区を作り、成功例を作っていくことで地方創生の事例としていきたい考えだ。円と切り離された金融政策のメリットを示す、実証実験などにも取り組んでいくとして意欲を示す。

地方分権が進んだ先にある社会として音喜多議員が見据えるのが「自律分散型社会の実現」だ。

otokita1


自律分散型社会に目覚めよ

自律分散型社会を目指す背景には「中央集権によって東京と地方の格差が生まれていることがある」と話す。

「本来は地方と東京が同じ税率でやっていける訳がない。貨幣の価値が変わるレベルのインセンティブがなければ移住も地方活性化もない」

東京から金をばらまくのではなく、独自の経済ルールを作り、それを発展させることが必要という。

ただ、国からトップダウンで税制改革だけをしても仮想通貨が普及し、地方分権が進むわけではない。音喜多議員は国民に対して「自律分散型社会に目覚めなければいけない」と促す。

国から提供される経済ルールに則るのではなく、自分たちで資産形成をするといった積極的な行動を訴える。自律した個人が自律した経済圏を作っていくという考えからだ。

そのために利用されるべきなのが仮想通貨だ。「地方で税制を勝手に変えることはできないが、仮想通貨を使えば自分たちでルールを作っていくこともできるかもしれない」。特に沖縄や離島など地域の特性が強い地域では取り組みやすいのではないかという。

しかし、そうは言ってもどうやって人々に仮想通貨を認知させるのだろうか。音喜多議員が考えるのがお金に対する意識の変革だ。

「定期預金最強みたいな声があるが、そこを仮想通貨に変えていきたい。また、円だけを持っておくのは得策ではない。ドルやユーロといった中に仮想通貨も入ってくるべきだ。国民の金融リテラシーを上げるのは政治の役割だろう。お金は動かさないと増えないということをわかってもらわないといけない。仮想通貨を購入したり、使ったりすることを推奨していきたい」

otokita2


野党は仮想通貨を勉強し、自民党に立ち向かうべき

仮想通貨の革新的なところは中央集権に立ち向かえる可能性にあると音喜多議員はいう。

「非中央集権である仮想通貨の考え方は、自民党にとっては敵となる考え方。野党は仮想通貨をもっと勉強すべきだろう」

音喜多議員は特に維新の会は仮想通貨の考え方と親和性がもっとも高いと考えている。これまでは藤巻氏の一強体制だったものを、まずは党内理解を進め、仲間を募っていきたいという。仮想通貨議員連盟などを作って理解を増やしていくことも計画する。

「世論を動かすには人を動かし、仲間を作っていく必要がある。国会で質問や問題を追及する姿を見せていく」

今後はブログだけでなく、動画にも取り組み、仮想通貨を知らない人に面白さや楽しさを伝えていきたいという。

2年後には都議会議員選挙もある。音喜多議員はそうした場で仮想通貨に関する課題を公約に掲げる議員を増やしていきたいとする。

「世界の流れに負けないところに位置しないといけない。仮想通貨はそのためにも普及させる必要があるのです」