アーティストのアンディ・バウチ氏の新作絵画「ニュー・マネー」シリーズは、レゴのブロックで作ったアート作品に抽象的コードを忍び込ませることによって、アートと仮想通貨を合体させている。それぞれの絵画は最高で9000ドル(約94万4000円)の価値を持つ仮想通貨ウォレットのプライベートキーを表しているという。ギズモードが23日に伝えた

Lego artwork

 コードを解明することができた者は誰でも仮想通貨を自分のものにできるため、絵画の購入はプライベートキーを手に入れることを意味しない。ただし、絵画の購入者には「ヒント」を教えると、バウチ氏は語った。

 ロサンゼルスのカステリ・アート・スペースで23~25日にかけて開かれたこの作品展では、各プライベートキーの仮想通貨の価格変動を示すライブ映像も流される。

 本稿執筆時点では、全仮想通貨がまだ各ウォレットにあるようだ。まだ誰もコードを解明していないか、仮想通貨を移行していないかのどちらかだ。各絵画は、プライベートキーのウォレットが持つ価値とは無関係に、1500ドル〜4800ドルで販売されている。

 バウチ氏は13年に仮想通貨に興味を抱いたものの、「この通貨を買うだけの才覚を持ち合わせていなかった」と述べている。バウチ氏はこのアート・プロジェクトのために、16年にビットコイン(BTC)やライトコイン(LTC)など、様々な仮想通貨を買い始めた。そしてそれらのプライベートキーを使い、アルゴリズムによって抽象的パターンを生成して、秘密コードを崩さない範囲でアートとして手を加えた。 バウチ氏は、新たなテクノロジーと人間の間に横たわる溝に橋を架けようとする作品を作ることが多いという。

 INKプラットフォームのダニエル・ジャイCEOによると、仮想通貨を支えるブロックチェーン技術は、アーティストが自身のプロジェクトの所有権を主張するのに役立てることができるという。ジャイ氏は昨年12月、同社のブロックチェーンに基づくプラットフォームは、アーティストがプロジェクトをトークン化することにも役立つほか、仮想通貨のクラウドファンディングのスペースも提供できる可能性があると、コインテレグラフに語った。