ナスダックとシティグループが、共同で進めているブロックチェーンプロジェクトを中断する意向であることがわかった。情報筋の話として16日にロイター通信が報じた。両者は2017年に取引を記録するブロックチェーン技術で提携すると発表しており、業界で先んじてブロックチェーンの金融取引への応用に取り組んできたが、開発へのコストがかかりすぎると判断したという。

両者はナスダックが持つ未公開の株式取引に使われてきたブロックチェーン技術とシティ銀行の法人決済システム「シティコネクト」を連携させることを目指していた。

関係者はブロックチェーンの導入について「輝く幻想だ」と表現し、期待値は大きいものの、導入には時間がかかりすぎることが課題だと指摘した。また、過去4年間で発表した33のブロックチェーン関連プロジェクトも実用性を見込めるには時間がかかり、ほとんど全てがテスト段階にあるとした。

ブロックチェーン基盤のデジタル通貨システムの構築を進めている、スイスの大手銀行UBSで投資責任者を務めるハイデル・ジェフリー氏は「ブロックチェーンは市場の変革ではあるが、ビッグバンではない」と、ロイターに語った。さらにブロックチェーンが事業に影響を与えるまでにはまだ3~7年要するなど、導入にはまだまだ時間がかかるとしている。