イーサリアムは今週にロンドンアップグレードを行い、ネットワークに多くの変更を加えた。MyEtherWalletの創業者兼CEOのコサラ・ヘーマチャンドラ氏は、2つの変更が特に重要であると指摘している。

「ロンドンアップグレードにより、現在のイーサリアムネットワークに5つの変更が加えられた。私はそのうち2つが日常的なユーザーにとって重要であると考えている」と、ヘーマチャンドラ氏はコインテレグラフにコメントしている。

その1つは「時限爆弾」導入を延期させたことだと指摘している。

「イーサリアムの開始以来、イーサリアムが予定通りにPoS(プルーフ・オブ・ステーク)またはETH2.0に移行するためにハードコーディングされたものがあった。これは、特定のブロック番号の後にブロック難易度を指数関数的に難しくし、マイナーが新しいブロックをマイニングすることを不可能にし、ETH2ネットワークに移行させるものだ。しかし、開発が遅れているため、この爆弾は延期され続けており、今回のロンドンハードフォークでも延期された」

イーサリアムは近年、スケーラビリティの問題に悩まされている。特に分散型金融(DeFi)ソリューションを使用する場合、高額な手数料が発生している。イーサリアム2.0は、PoSコンセンサスメカニズムへの移行により、ETHブロックチェーンにスケーラビリティをもたらすことを目指している。

イーサリアムのロンドンハードフォークは、5つのイーサリアム改善提案(EIP)が含まれている。その1つであるEIP-1559は、ブロックチェーンのネイティブ資産であるイーサに対するデフレ効果を与えることを目指している。

ヘーマチャンドラ氏は、ロンドンハードフォークによる2つ目の重要な変更点はEIP-1559だとしている。

「EIP-1559は非常に議論を呼ぶ変更であり、本質的にイーサリアムのトランザクション手数料の処理方法の構造を変更するものだ」と述べている。

「これにより、取引手数料のバーンなど、いくつかの大きな変更がもたらされ、流通しているETH全体の量が減少する。マイナーがインセンティブとしてトランザクション手数料を受け取れなくなるため、この変更は大きな議論になった。この変更により、トランザクションを含めるためにマイナーにチップを渡すためのメカニズムももたらされ、このチップはマイナーに直接送られ、バーンされることはない」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン