ビットコイン財団の3名のコア開発者が、MITメディアラボに新設されたデジタル通貨イニシアチブに加わることとなった。
このニュースは先日、ビットコイン財団主任開発者兼チーフサイエンティストのギャビン・アンドレセン氏が自身のブログで公表したものだ。アンドレセン氏をはじめ、コアのメンテナーであるウラジミール・ファン・デル・ラーン氏、開発者のコリー・フィールズ氏も財団を去ることとなった。彼らは新たに、安定したプラットフォームを提供するMITメディアラボのデジタル通貨イニシアチブのメンバーとなった。
MITメディアラボは、ビットコインの研究で知られる伊藤穣一氏が所長を務める学際的な研究所だ。デジタル通貨イニシアチブはつい先週立ち上がったばかりで、元ホワイトハウス顧問のブライアン・フォード氏がトップを務めている。
この異動は、ビットコイン財団にとって慌ただしいひと月の間に行われた。その月の始め、役員に選出されたオリバー・ジェンセン氏がビットコイン財団の切迫した財政状況を暴露し、その後財団は、組織をプロモーション部門、開発部門、ビットコイン・プロトコルの標準化を目指す部門の3つに分離する計画を発表することとなった。伊藤氏はそこで、MITメディアラボでビットコイン・プロトコルの標準化を主導する提案をした。このアイデアは事実上、メディアラボが開発組織まで主導するかのように見受けられているが、フォード氏はそのどちらでもないことを正式に認めている。
Forde氏のCointelegraph取材への回答
「デジタル通貨イニシアチブは開発も標準化も主導していません。アンドレセン氏、ファン・デル・ラーン氏、フィールズ氏はビットコイン・コアを開発し続けるポジション、つまり、コミュニティを前提とするオープンソースソフトウェアの開発プロジェクトに就きました。先日投稿した通り、我々は彼らにこれまでと同様、ビットコイン・コアを維持し、改善するためのコードを書いてもらいたいと考えています。安定したプラットフォームと、コミュニティを支えるのに必要なリソースが彼らに提供されることを期待しています。」
2012年に設立されたビットコイン財団は、分散化というビットコインのエコシステムにおいて権力を集中させているとして、常に物議を醸してきた。ジェンセン氏はコア開発に投資するという財団の任務を強く批判してきた。彼はそこで、マイク・ハーン氏のライトハウス・プロジェクトに50,000ドルを授与し、そのプロジェクトが財団に取って代わるものになるよう期待を込めた。さらに最近、彼はビットコインの開発から財団を分離させることを約束したプラットフォームにおいて、役員に選出された。
アンドレセン氏は、財団の権力集中についてブログで次のように答え、現在MITが同様に権力を集中させているという懸念を和らげるよう努めた。
Andresen氏はブログに、ビットコイン基金の自然な流れとしての権力化に対して反応し、同様にMITがビットコインにまつわる権力を有することへの懸念がなくなることを望んでいると記している。
「ビットコイン財団が開発の中心であったことは一度もありません。ビットコイン・コアのオープンソースなソフトウェア・プロジェクトこそが開発の中心であり、他のオープンソース・プロジェクトと同様、ビットコイン・コアに携わる開発者はさまざまな形で支えられています。会社の成功のために働く人もいれば、非営利目的の人もいます。彼らの多くは自己資金で、自発的に行っている人たちです。」
メディアラボの初期の資金源は、企業とのスポンサーシップによるものだ。ラボは概して、一般的なテーマで企業に資金提供を呼びかけている。ラボのファカルティーやリサーチスタッフといった一定のメンバーもまた、スポンサーシップから得た利益を引き出すことで、そのスポンサー企業を援助している。