仮想通貨ウォレットプロバイダーのメタマスクがイーサリアムユーザーが自身のバリデータノードを運営できる新たなステーキングサービスを開始した。
ユーザーが32ETHを預けると、メタマスクが代わりにバリデータノードを運営する。1月19日日本時間午後4時現在、イーサリアムは36万円前後で取引されており、32ETHは現在の価値で約1150万円にのぼる。ノードを安全に運営し、リスク管理をしながらステーキング報酬を最適化する。
この新サービスは、メタマスクを通じたステーキングが、リドなどの大手流動性ステーキングプロバイダーからの集中化の懸念を解消し、個人のイーサリアムノードを運営するためのハードウェア購入の手間などがないため初心者や分散主義者にとって使用しやすいサービスとなるだろう。
サービスを管理する米ブロックチェーン企業コンセンシスは、「2年以上の運営期間中、33000以上のバリデータで20億ドル以上のETHを管理しているにもかかわらず、スラッシングペナルティを受けたことは一度もない」とし安全性を強調した。メタマスクを通じたステーキングの現在の年間利回りは3.8%だが、プラットフォームはバリデータ報酬の10%を手数料として取る。
仮想通貨ポートフォリオトラッカーRotkiappの創設者レフテリス・カラペツァス氏は「興味深いアイデアだが、10%の手数料は他のサービスと比較しても特別魅力的なものではない」と語った。
メタマスクの手数料を差し引いたステーキングの利回りは、リドが提供する3.4%と同様である。リドは業界をリードする流動性ステーキングプラットフォームで、現在930万ETH(約229億ドル)がステーキングされており、Ultrasound.Moneyによると、全体の2880万ETHのステーキングの約40%に相当する。イーサリアムの総流通供給量の約4分の1がステーキングにロックされている。
分散型ステーキングプロバイダー以外にも、コインベースなどの中央集権型取引所を利用することもできるが、こちらはステーキング報酬の25%を巨額の手数料として取る。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン