ネット上のキャラクターや流行りにあやかってつくられる「ミームコイン」が低調だ。バブルの時は高騰する傾向がみられるが、足元では弱含んでいる。

5月6日の仮想通貨市場でも、ドージコイン(DOGE)、シバイヌ(SHIB)、ペペ(PEPE)などのミームコインが市場全体の平均を下回るパフォーマンスを見せている。コインゲッコーのデータによると、ミームコイン全体の時価総額は過去24時間で2.7%減少し、554億ドル(約8兆円)に落ち込んだ。

最も大きく下落したのはボンク(BONK)で、6%下落。フロキ(FLOKI)が3.3%の下落を記録し、ミーム(MEME)がも3%減少した。

ミームコイン価格 出典:CoinGecko

時価総額ベースで最大のミームコインDOGEも2.1%下落。時価総額は約3兆4000億円になった。DOGEはミームコインセクター全体の約41%を占めている。ライバルのSHIB(柴犬コイン)も5月6日に2.4%下落している。

ミームコインが下落している理由

歴史的に見ると強気相場ではアルトコインが相場全体の上昇を牽引することが多いが、足元ではそのようにはなっていない。

ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)を除くすべての仮想通貨の時価総額を示すTOTAL3(トータル3)指数は下落傾向にある。

TOTAL3指数は4月初旬から15%減少し、約98兆円になっている。ちょうどソラナベースのミームコインをめぐる熱狂が相場を押し上げたのをピークに、投資家は利確に動いたかたちだ。RSI(相対力指数)でいうと70を境目に下落したかたちだ。

ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)を除くすべての仮想通貨の時価総額を示すTOTAL3(トータル3)指数  出典: TradingView

RSIの値が70以上になるとアルトコインが過大評価されていることを意味することが多く、しばしばトレンドの反転や価格修正が始まる。

TOTAL3指数が下降チャンネルの上限である6600億ドル(約98兆円)を超えられなければ、アルトコイン、特に主要なミームコインは今後数週間にわたって調整を続ける可能性がある。

またミームコインの週間取引高も3月初旬から減少傾向にある。

イーサリアムやソラナを含むすべてのブロックチェーンでのミームコインの取引高は、3月の約1500億円から81%減少し、5月3日には約280億円に落ち込んだ。トレーダーの関心が衰えていることを示唆している。

ミームコイン取引高推移 出典: Dune

個別のミームコインを見ると、DOGEの取引量は3月7日から5月6日の間に約50%減少した。同様に、SHIBとPEPEの取引量も同期間で88%と51%減少している。

現在2024年中の利下げの可能性が減少しており、リスクオフの感情が強くなっている。これが仮想通貨市場、特に2024年にこれまでで最も利益を出しているミームコインに影響を与えている。米経済が強さを見せる中、トレーダーは米国債などの安全な利回り資産に比べ、デジタル通貨に魅力を感じにくくなっているのだ。

仮想通貨相場におけるテーマ別騰落率(2024年第1四半期)推移 ミームコインは+1,313%だった

結果として、リスクの高い投資、特にミームコインの魅力が減少し、投資家は2024年第1四半期にミームコインで得た利益を他の仮想通貨エコシステムに投資する可能性がある。

<終>

PR記事「仮想通貨取引所Gate.io 新規口座開設で7700円相当の軍資金! もらって取引キャンペーン実施中 【先着順】

この記事には投資助言や推奨は含まれておらず、すべての投資や取引にはリスクが伴う。決定を下す際には、読者自身で研究を行うべきだ。