ソラナのミームコイン作成ツール「Pump.fun」で誕生した仮想通貨のほとんどが、日の目を見ていないことが明らかになった。
Dune Analyticsのデータによると、Pump.funで作成された仮想通貨がソラナベースの分散型金融プロトコルRaydiumに上場する成功率は1.41%で、5月以降は1.21%から1.41%のレンジ内で推移している。最高値の2.56%は2月16日に達成された。
「Pump.funで作成されたコインの‘卒業率’(分散型取引所に上場したもの)は約1.4%で停滞している」と、シネムハイン・ベンチャーズのパートナーであるアダム・コクラン氏は8月1日のX投稿でコメントした。

コクラン氏はさらに、いかなる新しいコインも2000万ドルの完全希釈評価額(FDV)レベルを「実際には突破できていない」と指摘した。FDVは、全てのコインが流通している場合の仮想通貨の総価値を示す指標だ。「これは、ミームコインのサイクルがついに終わりを迎えていることを示唆している」とコクラン氏は主張する。
「実際にどれほど厳しい状況かを理解していなかった」と、仮想通貨ウォッチャーでウェブ3開発者のブレッドは付け加え、158万トークンのうち2万2300トークンだけが実際にRaydiumに上場したことを指摘した。
しかし、他の仮想通貨ウォッチャーは、成功率がミームコイン市場全体の市況を反映しているわけではなく、Pump.funがミームコインの作成をいかに容易にしているかを示しているだけだと考えている。
「Pump.funはミームコインを台無しにしたのではなく、ソーセージの作り方を公開し、それを非常に簡単にしただけだ」と、仮想通貨ウォッチャーのブンジルはXで語った。
上場したトークンはわずかかもしれないが、ローンチされたものからの手数料収入は相当な額にのぼるとみられる。Pump.funは、トークンが一定の時価総額に達するまで1%の取引手数料を課している。
Pump.funの収益が同期間のイーサリアム(ETH)を上回ったケースもある。7月29日、Pump.funは24時間で約86万4000ドルの収益をあげ、同期間にイーサリアムが記録した55万ドルを約57%上回った。
セレブの間で人気に
セレブがミームコインを作成しプロモートするのがトレンドとなったことで、Pump.funは人気のツールとなっている。米国の有名人であるケイトリン・ジェンナー氏、イギー・アゼリア(本名アメジスト・ケリー)氏、ジェイソン・デルーロ(本名ジェイソン・デロールー)氏などが、5月以降、自身の似顔絵を使って仮想通貨トークンをローンチしプロモートしている。
ミームコイン市場全体の時価総額は449億4000万ドルで、過去24時間で2.67%減少しているが、同期間の取引量は27.29%増加し、44億8000万ドルに達している。時価総額でトップ100のミームコインの中で、ブック・オブ・ミーム(BOME)は7月26日以降の7日間で唯一上昇しており、14.79%上昇して0.009ドルで取引されている。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。