マンタネットワークのレイヤー2であるマンタパシフィックが資産総額で第4位のスケーリングソリューションになった。コインベースが開発したイーサリアムのレイヤー2「ベース」を抜いた。レイヤー2はブロックチェーンの処理性能を向上させるための二次的なブロックチェーンだ。
現在マンタパシフィックのにロック(預託)された資産総額(TVL)は8億4500万ドル(1191億4500万円)で、ベースの7億5300万ドル(1061億7300万円)を上回っている。
マンタパシフィックは昨年、レイヤー2を強化する「ゼロ知識ロールアップ」へと移行を遂げていた。ゼロ知識ロールアップは現在ブロックチェーン業界で最も注目されている応用技術の一つだ。
ちなみに分散型金融プロトコルに預託される資金規模の測り方には様々な手法がある。今回測定の基準になったのは海外の情報サイト「L2Beat(エルツービート)」だ。同サイトはマンタパシフィック自体に預けられた金額に加え、外部から接続(ブリッジ)されている資金も加えて計算する。一方で分散型金融情報サイト「デファイラマ」では、プロトコル内の資産だけをカウントする。
「デファイラマ」の計算方法をベースにすると、マンタパシフィックとコインベースの「BASE」のTVLはそれぞれ約4億2000万ドル(592億2000万円)でほぼ同じだ。
急成長の背景にあるのがマンタパシフィックが昨年12月に開始した「パラダイムブリッジングプログラム」だ。他ブロックチェーンからイーサ(ETH)とUSDCをマンタパシフィックにブリッジすると報酬がもらえる仕組みで、報酬めあての資金が集まったと見られる。
というのもマンタにブリッジされたイーサ(ETH)とUSDCは4%から5%の利回りを得られる上、預金者は将来のMANTAトークンのエアドロップの対象となる。同様にイーサリアムのレイヤー2である人気プロトコル「ブラスト」と同様の戦略だ。
NFTがもらえたり、イーサを預け入れたままアイゲンレイヤーで再ステーキングすることができるのも特徴だ。
「ブラスト」ではライド(LIDO)とMakerDAOから資産をブリッジしてくれたユーザーに将来のエアドロップで換金できる利回りや紹介料を提供して人気を集めた。
海外仮想通貨取引所大手バイナンスがマンタを「バイナンスランチプール」のプロジェクトとして発表したことも追い風だった。バイナンスは1月18日にマンタを上場するという。