分散型金融プロジェクト「メーカー(Maker)」が「スカイ(Sky)」にリブランディングしたが、最近アップグレードされたステーブルコインを巡る反発に直面している。
仮想通貨ウォッチャーたちは、新しいステーブルコインUSDSに「凍結機能」があることを指摘し、これがプロトコルの分散性を疑問視させるものだと批判している
「これはプロジェクトの目的を完全に無意味にするんじゃないか?何か見落としてるのか?」と、モナドのマーケターであるTunez氏は8月28日に問いかけた。
8月27日のX投稿で、スカイプロトコルの共同創設者ルーン・クリステンセン氏は、凍結機能はなく、アップグレード機能だけがあると明確にし、「後にガバナンスがすべてのデータを考慮し、できるだけ多くのリスク要因に対して保護するための方法を決定できるようにする」と付け加えた。
5月のフォーラム投稿で、クリステンセン氏は、メーカーが新たに立ち上げるトークンについて説明し、フリーズ機能が有効化されると、一般的に「メーカーがRWA(現実世界の資産)担保に対する償還請求を実施するなど高い確実性を必要とする法域の法の支配に従う」ことが期待されると述べた。
シネマハイン・ベンチャーズのパートナー、アダム・コクラン氏は、この機能が新しいステーブルコインを米国債で裏付けるために必要だとコメントしている。「現実には、米国債の利回りを得るためには、たとえ二次市場の取引であっても、凍結機能とVPNブロッカーが必要になる」とのべた。
メーカーは今週「スカイ」に改名し、ステーブルコインのDAIもUSDSに改名した。プロジェクトのウェブサイトはVPN経由のアクセスをブロックしており、これがDeFiコミュニティからの嘲笑の的ともなった。
コクラン氏は、凍結機能とVPNブロックは「この業界が決定しなければならないトレードオフだ」と付け加えた「米国の伝統的金融システムの恩恵を受けるには、そのルールを受け入れなければならない」。
クリステンセン氏は、フェニックス・ラボとスパーク・プロトコルのCEOであるサム・マクファーソン氏が新しいDAIにフリーズ機能があると主張する投稿は誤解を招くものだと述べている。「DAIはこれまで通り機能し続け、引き続き使用できる。USDSへのアップグレードは任意であり、凍結機能を持つのはUSDSだけだ。DAIは不変のスマートコントラクトであり、変更することはできない」。
メーカーの「エンドゲーム」ロードマップを達成するために、このルートを選択したようだ。このロードマップには、ステーブルコインを現実世界の資産で裏付け、その供給量をテザーに匹敵するまで拡大することが含まれている。テザー(USDT)のような中央集権型ステーブルコインも、凍結機能を持っており、5月にフィッシング詐欺に関連する520万ドル相当のUSDTを凍結している。