ブロックチェーンゲームのNFTアイテムに特化したプラットフォームを提供するLootex。2022年1月には900万ドルの資金調達をするなど大いに注目を集めている。
そのLootexがメタバースでゲームサービスを提供するThe Sandboxとのパートナーシップを強化した。The Sandboxの共同設立者であるSebastian氏はLootexの投資家となりアドバイザーにも就任している。これによりLootexはゲームNFTのマーケットプレイス市場でのシェアをさらに広げることが期待される。
次は、そのLootexのサービス内容を詳しく解説する。
Lootexとはどんなサービスか
2021年2月に台湾を拠点としてサービスを開始したLootexはどのようなサービスを提供しているのかを紹介しよう。
ゲーム市場に特化したNFTマーケットプレイス
LootexはゲームNFTに特化したマーケットプレイスを運営するサービスである。ブロックチェーンゲームで使用するアイテムや武器、アバターなどを複数の仮想通貨で売買できるのが特徴だ。
NFTゲームとは
NFTゲームはブロックチェーン上のデジタル暗号トークンをデジタル資産アイテムとしてコレクションできるものだ。NFTを「資産」として保有あるいは運用できることから、ゲームと金融が融合した「GameFi(ゲームファイ)」とも呼ばれる。
LootexではこのようなNFTアイテムをユーザーが売買できるプラットフォームを提供している。
マーケットプレイスとは
NFTのマーケットプレイスとはユーザー同士がNFTを売買できるプラットフォームのことである。既存のNFTアイテムのほか、ユーザーが製作したNFTも販売できる。
LootexでもNFTクリエイターがデジタル作品をMint(ミント:NFTを作成、発行すること)できる環境を用意している。
Lootexが扱うNFT
Lootexでは次のようなジャンルのNFTアイテムを扱っている。
・ACGゲーム
・アドベンチャーゲーム
・カードゲーム
・メタバースゲーム
・RPG
・スポーツゲーム
・コレクションアイテム
Lootexで扱うウォレット
現時点で、LootexでNFTアイテムの売買をするために利用できるウォレットには次のようなものがある
・MetaMask
・Trust Wallet
・Coinbase Wallet
・WalletConnect
・Qubic
・Fortmatic
LootexでNFTを購入するには、このような暗号資産ウォレットが必要になる。
Lootexで扱う仮想通貨
NFTの売買で使用される仮想通貨はイーサリアム(ETH)が主流だが、現在、Lootexでは以下の仮想通貨を扱っている。
・Polygon
・Binance Smart Chain
・Ethereum(イーサリアム)
・Artbiteum
・Avalanche
ちなみに、ArbitrumはイーサリアムによるNFTの取引で必要な「ガス代」が高騰していることを背景に開発された技術を利用している。ユーザーにとって、ガス代はNFTを取引する上で無視できないコストとなっているため、低コストでNFTを取引できるのは嬉しいものに違いない。
Lootexのサービスの特徴
LootexはブロックチェーンゲームのNFTアイテムを「クロスチェーン」により取引するプラットフォームである。
クロスチェーンは、異なるブロックチェーンの枠を超えてNFTの取引ができることを意味する。この技術により仮想通貨取引所を介することなく、異なるブロックチェーンによるNFTをLootexのマーケットプレイスで売買できる。
これはユーザーにとっては、わざわざ自分が保有していない仮想通貨を購入してNFTの取引をする手間がなくなることを意味する。
Lootexを利用してできること
結局Lootexというサービスを利用すると何ができるのか気になることだろう。実際にどんなことができるのかを説明する。
LOOTトークンの購入
LootexでのNFT取引に使用できるトークン「LOOT」を購入できる。Lootexではほかにさまざまな仮想通貨が使えるが、LOOTを保有することで独占ゲームアイテムも購入できる。
あるいはGamefiアセット(NFTアイテム)のプレセールにも参加できるなどの特典を与えられるのが魅力である。
NFTの購入
Lootexのマーケットプレイスで販売されるNFTを購入できる。アイテムはランキング形式で表示させることも、カテゴリごとに表示させることも可能。
対象となるのはNFTゲームのほかにNFTコレクション、クリエイターによる作品などもある。対応するウォレットを接続しトークンを入れておけば、欲しいアイテムを簡単に入手できる。
NFTの販売
NFTを販売するためには、あらかじめ暗号資産ウォレットにトークン(イーサリアム)を入れておく必要がある。これは販売コストでもある「リスト料金」を最初に支払うためである。
あとは販売するNFTアイテムをマーケットプレイスにアップロードすれば、誰でも簡単に売り出せる。
Launchpadでの限定アイテム取得
Lootexが運営している「Launchpad(ローンチパッド)」では提携しているゲームの限定アイテムなどを入手できる。NFTのコレクションアイテムやゲームで使用できる武器、アバターといったものを先行取得できるユーザーにとっては注目したいサービスである。
Lootexに資金が集まる理由
Lootexの将来性が注目され、さまざまな企業から資金が集まっている。
900万ドルの資金調達を完了
2022年1月にLootexは次のような企業から資金調達を受けた。
・Spartan Capital
・Infinity Ventures Crypto
・LD Capital
・Polygon Studios
・Morningstar Ventures
・SweeperDAO
・Akatsuki
Akatsukiはゲーム事業、IP創出事業、IPビジネス事業を手がける日本の企業である。これらの企業から共同で得た900万ドルの資本をもとに、NFT取引プラットフォームのさらなる開発を行うことになる。
資金調達に際して寄せられたコメント
Akatsukiの熊谷 祐二氏は次のようなコメントを寄せている。
「GameFiのためにNFTマーケットプレイスを始動させることで、NFTのゲーマーが所有権を持ち自律的に動けるようになる」
またYGG SEAのDan Wang氏は次のように、利用者側からのコメントを出している。
「Lootexのプラットフォームは私たちにアドバンテージをもたらしてくれる」
いずれもLootexの将来性に期待するコメントだと言えよう。
Lootexが注目される理由
これほどまでにさまざまな企業が出資する理由は何だろうか。その理由を説明しよう。
アクティブユーザーはすでに8万人超え
Lootexを利用するユーザーはすでに8万人を超えている。2021年11月には月間売上高も200万ドルを記録した。このような勢いで成長していることが、Lootexに注目が集まる理由である。
メタバース上のシェア拡大を目指す
Lootexはメタバース(3次元の仮想空間)におけるNFTの取引プラットフォームとしてシェア拡大を目指している。
メタバースではさまざまなNFTの取引市場が広がると考えられる。ユーザーの分身であるアバターや洋服、アイテムやバーチャルの土地などだ。あるいはギャラリーやショールームなど、現実世界をそのまま反映させる形でNFTが用いられるようにもなるだろう。
現在はそのようなNFTの取引プラットフォームに「OpenSea」などがある。Lootexはメタバース上での「ワンストップのショップ」という形で差別化を図っている。
The Sandboxとのパートナーシップ
Lootexがメタバースでゲームサービスを提供しているThe Sandboxとのパートナーシップを強化していることも大きな期待感につながるのだろう。LootexはThe Sandbox内でNFTプラットフォームを展開するだけでなく、The Sandboxにゲーム開発者をするクリエイターを集めることにもひと役買うことになる。
つまりThe Sandboxはよりメタバース市場を広げ、LootexはそこでのNFTマーケットを広げることになるという両者にとってはWin-Winの関係を築くことができるのである。
LootexのCEOで共同創設者のJustine Luは、今回のパートナーシップ強化に関して次のように述べている。
「The Sandboxは、最もクリエイターフレンドリーなツールキットとゲーム環境を持っています。LootexはThe Sandboxの長期的なパートナーであることを誇りに思っており、より多くのゲーム開発者やクリエイターがThe Sandboxを活用して、次世代のメタバースアセットやゲームを作ることを期待しています」
The Sandboxにはもっともクリエイターに優しいツールキットとゲーム環境のひとつがある。そしてLootexはThe Sandboxとの長期的なパートナーであることを誇りに思っており、次世代のメタバースアセットやゲームを作成するためにTheSandboxを利用するゲーム開発者やクリエイターが増えることを期待している。
NFT市場が拡大している
投資銀行のジェフリーズが2022年1月18日に発表したアナリストノートによると、NFTの市場規模は2022年に800億ドル以上になると予想している。一方でNonfungible.comは2021年のNFTゲームの売上は年間で51億7000万ドルに達していると報告している。
このようにNFT市場とともにNFTゲーム市場も拡大していることを背景に、Lootexの成長も期待されるのである。
Lootexがパートナーシップの強化により行うこと
LootexがThe Sandboxとのパートナーシップを強化したことで、どのようなサービス提供ができるのかを説明する。
アバター装備の製作を開始
Lootexは、The Sandbox内のファウンダーズバッジ(Founder’s Badge)保持者向けにNTFによるアバター装備の製作を開始する。
ただしこのアバター装備は、2022年3月初旬に初めて発表されたファウンダーズバッジを獲得したLootexのユーザーのみが入手できる限定的なものだ。
このNFTアバター装備は、2022年4月から6月までファウンダーズバッジ保持者用のウォレットアドレスにエアドロップされ利用可能となる予定だ。
ファウンダーズバッジの取得方法
ファウンダーズバッジを取得するためには、1000以上のLOOTトークンをステーキングし、12カ月以上ロックする必要がある。
またファウンダーズバッジには、パープル(レベル3)、ゴールド(レベル2)、シルバー(レベル1計)3つのタイプがある。レベルによって保持者が獲得する特典も異なる仕組みだ。
注意:イベントは終了しました。現在ステーキングすると、シルバーバッジのみ取得できます。
ファウンダーズバッジに関する注意点
ファウンダーズバッジは一度手に入れたら、ほかのプレイヤーへの譲渡や売却ができないので注意しよう。またウォレット1つにつきファウンダーズバッジは1つしか入れることができない。
まとめ:NFTゲーマーは注目のサービス
LootexはブロックチェーンゲームのNFTを中心にさまざまなデジタル資産を取引できるプラットフォームを提供している。その大きな特徴の一つに、クロスチェーンによる異なる仮想通貨で取引できることが挙げられる。メタバースでのワンストップショップを目指すこともあり、今回のThe Sandboxとの提携強化は、今後のマーケットプレイスにおけるさらなるシェア拡大が期待できるサービスだと言えるだろう。