仮想通貨を使った分散型の融資プラットフォームとして有名なアーヴェ(Aave)が、26日よりユーザーを引き付ける新たな実験をはじめる。USDC、DAI、USDT等のステーブルコインや、ETHやwBTCなどの仮想通貨を預けたり借りるユーザーに対して、通常の金利に加えてstAAVEという仮想通貨を付与するいわゆる「流動性マイニング」サービスを展開する。

今回の動きはアーヴェに出資するファンド「パラファイキャピタル」のアンジャン・ヴィノッド氏が提案したもので「(仮想通貨)市場における貸し借りを促進すること」と「ガバナンストークンをより多くのユーザーに配布することで、プロトコルのガバナンスの分散化を図ること」が狙いだ。プログラムは2021年7月15日に終了する予定だが、その後も何らかの形で継続する可能性があるという。同氏によるとこのプログラムは調査目的の実験だという。

アーヴェのスタニ・クレチョフ共同設立者はコインテレグラフの取材に対し「(今回のプログラムで付与する)報酬のほとんどがステーブルコイン向けに割り当てられるため、TVL(総預け入れ額)が大幅に増加することになる」とコメントした。ボラティリティがないドル建ての仮想通貨で金利を得られるようになれば、ユーザーは安定した金利収入を得ることができる。こうした安定収入を狙ったユーザーが集まるという見立てだ。

今回「流動性マイニングプログラム」が実施されれば「コンパウンド」等先行しているプロジェクトを追い上げることになるかもしれない。アーヴェの開発者であるエミリオ・フランフェラ氏は今回の動きで、アーヴェの金利が大幅に高まるという

クレチョフ氏によるとアーヴェにおける流動性マイニングの導入をめぐってはこれまで反対の意見も多かった。それなしでもオーガニックに成長できていたからだ。一方で多くの分散型金融プロジェクトが同手法でユーザー数を伸ばしており、手法として確立されてきておりアーヴェもこれに追随して実施に動くかたちだ。