仮想通貨(暗号資産)取引所クラーケンのジェシー・パウエルCEOは、ビットコイン(BTC)のレイヤー2ソリューションによって、BTCが米ドルのように使いやすくなるだろうと主張している。ブルームバーグとのインタビューの中で語った

インタビューの中では、ビットコインの実用性の改善に加え、パウエル氏は機関投資家が参加する最終的なタイミングは群集心理に依存するとも指摘したり、ビットコインを中央銀行による金融政策のヘッジ手段になるとも主張している。

ビットコインのユーティリティ改善

パウエル氏は、ビットコインは価値の保存手段として成功していると述べる。発行額が予測可能という特徴により、従来の資産クラスに対するヘッジ手段としてビットコインが多くの関心を集めた。パウエル氏は、長期的にはBTCが金を超える存在になると信じているとも語った。

そしてパウエル氏は、金や現金と同じように「物理的な」ビットコインをブロックチェーンで送金する必要はないだろうとも語っている。PayPalやVenmoなどのキャッシュアプリでは、法定通貨を非物理的な形で移動させている。ビットコインのレイヤー2ソリューションが、やがてビットコインでも同じようなツールを提供することになるという。

「まもなくビットコインの背後にあるすべてのテクノロジーが消えてしまうだろう。それは米ドルのようになり、誰もがそれがどのように機能するかは理解していないが、誰もがそれを使うようになる」

機関投資家の群集心理

パウエル氏は過去3ヶ月間で、ヘッジファンド、ウェルスマネージャ―、個人投資家、デイトレーダーなど、あらゆる種類の投資家が新規口座を開設し、大量に流入してきたと証言している。その上で、長い間、期待されている機関投資家の大量の参加は、群集心理に依存していると、パウエル氏は指摘している。

著名なヘッジファンドマネージャーであるポール・チューダー・ジョーンズ氏は、彼のポートフォリオの最大2%がビットコインであると述べた。尊敬されているファンドマネージャーの発言は、多くの人々を刺激し、最終的に機関投資家の参入を促すという。

また仮想通貨市場が「クジラ」によって操作されているという懸念について、パウエル氏は伝統的な市場も操作されていると指摘している。

「失敗した米国企業からジャンク債を購入するFRBを見て欲しい。それは冗談のようだ。市場は操作されている。彼らは数兆ドルも印刷し、上場株式の価値を高めている。もうドルで値段を付けることはできないだろう。インフレはいずれコントロールできなくなる。個人的にはそのインフレに対するヘッジ手段としてビットコインを買うだろう」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン