仮想通貨支持派の弁護士として知られるジョン・ディートン氏が、マサチューセッツ州の上院議員選挙に立候補することを正式に表明した。2月20日に公開された動画の中で、仮想通貨に関する公約を明確には掲げていないが、ディートン氏は「ワシントンエリートに挑戦する」ことをキャンペーンの重点事項に掲げ、現職のエリザベス・ウォーレン上院議員は「マサチューセッツのために何もしていない」と非難した。

動画には、米証券取引委員会(SEC)とXRPを巡る訴訟でXRP保有者側を支援したディートン氏や、XRPのシャツを着たディートン氏の写真が映っている。しかし、その他の部分では、インフレや国境警備など国内問題に焦点を当てている。

ディートン氏は「最も必要としている人々のために物事を変化させるという、人生の使命を続けるために、米国上院議員選挙に立候補する」と述べた。

ディートン氏が当選した場合、2013年から上院議員を務めているウォーレン氏が落選することになる。ウォーレン氏は、仮想通貨はテロ組織の資金調達など違法行為に利用されることが多いため、政府が規制する必要があると主張しており、米国政府の中でも最も声高な仮想通貨反対派の一人だ。

ディートン氏は自身のキャンペーンサイトで、XRP保有者側としてSECとリップル社の訴訟にアミカス・ブリーフ(意見陳述書)を提出するなど、弁護士として仮想通貨を擁護してきた経歴を強調。また、SECや政策立案者による仮想通貨に対する取り締まりを批判し、仮想通貨投資家の権利を擁護する発言を繰り返している。

ディートン氏のキャンペーンサイトでは、所属政党は明記されていないが、共和党から立候補するとみられる。ウォーレン氏は民主党から立候補する。コインテレグラフはウォーレン氏とディートン氏の両事務所に取材を試みたが、記事公開時点では回答を得ていない。

米選挙委員会のデータによると、ウォーレン氏は2024年の再選に向けて12月31日までに約1600万ドルを調達し、手元には約400万ドルの現金が残っている。ディートン氏が正式に立候補する前に、ウォーレン氏は「仮想通貨の利益を熱烈に支持する人物」としてディートン氏を標的にし「仮想通貨ロビーが私を標的にしている」として寄付を呼び掛けていた。

仮想通貨関連の利益団体がディートン氏の選挙活動に資金提供できるかどうかは不明だ。2月18日に公開されたポッドキャスト「Pod Save America」でのインタビューで、ウォーレン氏は一部の仮想通貨業界関係者が「莫大な資金を投入して」デジタル資産マネーロンダリング防止法案に対するウォーレン氏の支持に反発しようとしていると主張した。

世論、市場に関する調査を行う米調査機関MassINC世論調査グループの2023年の調査によると、マサチューセッツ州の住民の41%がウォーレン氏を好意的に評価しており、ディートン氏が現職を破るのは難しいと見られている。選挙は11月5日に行われる。