破綻した仮想通貨ヘッジファンド「スリーアローズキャピタル」(3AC)の共同創業者であるカイル・デイビス氏とスー・チュー氏は、新たな仮想通貨事業からの収益の一部を、2022年の3ACの破綻で損失を被った債権者に寄付すると公言した。

デイビス氏は2023年7月3日のツイッタースペースで、「新事業オープンエクスチェンジ(OPNX)からの収益を3ACの債権者に寄付することは、良いカルマを生む」と述べた。

デイビス氏はこの返済計画を「影の回収プロセス」と呼び、グローバルコンサルティングファームであるテネオが現在管理している公式の清算プロセスとは独立したものであると説明した。

デイビス氏は、このプロセスが自身とスー氏に、OPNXを早期に支援した3ACの債権者に資金を寄付する機会を与えると主張した。「すでに全額返済された債権者が数名いる」とも語った。「我々との取引を望まない債権者がいるなら、それでも構わない」と付け加えた。

「我々が良い行いをし、損失を被った債権者に対して、さらに回収する方法があると伝えることが重要だ。我々が失敗し、彼らが成功した場合、それは素晴らしいことだ。それが良いカルマだとでも言おうか」とデイビス氏は語った。

新事業を進めている一方で、破産したヘッジファンドの清算プロセスがまだ進行中であることについて問われると、デイビス氏は債権者は新会社から「利益を得るだけだ」と主張した。しかし、デイビス氏とスー氏がOPNXの立ち上げを発表した4月4日、仮想通貨コミュニティの一部からは、ヘッジファンドの破綻に関連する責任を回避しながら新事業を始める二人に対する批判が寄せられた。

3ACは2022年7月1日に連邦破産法15条に基づく破産保護を申請し、その後の裁判所の文書から、破綻したファンドが20以上の異なる企業に合計28億ドルの負債があることが明らかになった。デイビス氏とスー氏の現在の居場所は確認されておらず、彼らを見つけるのが困難だったため、清算人は2023年1月5日にツイッターで召喚状を送るまでに至った。最近のニューヨークタイムズの報道によれば、デイビス氏とスー氏はほとんどの時間をバリ島でサーフィンを楽しんで過ごしていたという。最も最近では、6月27日に清算人がデイビス氏から直接13億ドルの資金を回収しようと試みていると発表した。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン