クラーケンのユーザーは、マウントゴックス(Mt.Gox)の弁済資金がクラーケンに送金され、7日から14日以内に分配される旨の通知メールを取引所から受け取ったという。
アーカム・インテリジェンスも、7月16日にマウントゴックスの管財人ウォレットから4万8641BTC(約31億ドル)がクラーケン関連のウォレットに移動したことを指摘している。
過去数週間にわたり、マウントゴックスの管財人はコールドウォレットからホットウォレットに資金を移動させている。
アーカム・インテリジェンスのデータによると、マウントゴックスは現在13万8985BTC(約89億3000万ドル)を保有している。

市場への影響
仮想通貨コミュニティでは、マウントゴックスの弁済が市場に与える影響について議論が続いている。アナリストのマシュー・ハイランド氏は、売り圧力による「恐怖・不確実性・疑念(FUD)」が原因でビットコインが3万8000ドルまで下落する可能性があると考えている。
匿名のアナリスト、ストックマネー・リザード氏もビットコインの再度の下落を予測しているが、下値の予測は5万ドルにとどまるとしている。
オンチェーン調査を手掛けるZachXBT氏は、より楽観的な見解を示している。同氏によれば、影響は短期的であり、ビットコインに対する信念が最も低い投資家だけが弁済されたBTCを売却するだろうと述べている。
アナリストのジェイコブ・キング氏は、より悲観的な予測をしており、マウントゴックスの無担保債権者の99%がBTCを市場に放出する可能性があると警告している。キング氏は、一部の債権者が10年以上前にビットコインに投資していた場合、8500%の驚異的な利益を実現するために売却を選ぶかもしれないと指摘している。
機関投資家の流動性が影響を緩和するか?
機関投資家によるビットコイン投資の流動性が、マウントゴックスの売り圧力による変動を吸収する可能性がある。7月15日のコインシェアーズのレポートによると、ビットコイン投資商品への週間流入額は13億5000万ドルを超え、記録的な週となった。
サンティメントによるビットコイン市場のセンチメントも、7月16日に「極度の恐怖」から「貪欲」に変わった。これは、ドイツ政府がビットコインを売却した後、市場が反発し、日次で3億ドルの資本がビットコイン投資商品に注入されたためである。