ヘッジファンド運営会社シタデルのケネス・グリフィンCEOは、イーサリアム(ETH)ネットワーク上の通貨がビットコイン(BTC)に取って代わり、トップの仮想通貨になると考えている。

ニューヨークタイムズが主催するDealBookサミットで、グリフィン氏は「次世代の仮想通貨は、ビットコインベースの概念がイーサリアムベースの概念に置き換わるだろう」と予想している。

同氏は、イーサリアムベースの仮想通貨には「トランザクション速度の速さと、コストの安さという利点がある」と付け加えた。

イーサリアムは現在ビットコインよりもいくらか速いわけだが、ETH2.0が完全に実装されれば、よりトランザクション速度が速くなり、コストが大幅に削減されるだろう。

グリフィン氏は長年ビットコインに対して懐疑的な姿勢を取っており、BTCについて「商用ユースケースはない」と主張していた。

同氏は仮想通貨とその基盤となるブロックチェーン技術は「真に興味深い技術」であり、「世界中の分散型台帳を維持する強力な方法である」と述べている。

「人々は新しいアイデアと新しい創造に集中している」と同氏は語っているが、「仮想通貨に関してはこの情熱の一部が見当違いの方向に向いているのではないかと心配している」とも述べている。

サミットの中で、同氏は詐欺のリスクやエネルギー消費、コストの高さなど、「仮想通貨で対処されていない多くの問題がある」と主張している。

「ビットコインは決済を管理する上で信じられないほど高価だ」とグリフィン氏は述べている。現在、ビットコイン取引は1トランザクションあたり4.1ドル掛かる。マスターカードやVisaなどの一般的なクレジットカードの取引手数料は1.4~3.5%の範囲だ。デビットカードなら約0.5%になる。

同氏は、ビットコインは持続可能性の観点からも「今日世界中で使用されているどの決済方法よりも地球温暖化に影響を与えている」と述べている。