ブロックチェーンには、デジタル資産を保有するための素晴らしいアドバンテージがある―所有権が素早く譲渡できる点や、その堅牢性、そして偽造されにくい点と低い取引コストだ。こういった利点を認識して応用した一番最近の例がカザフスタン中央銀行だ。

 

モバイルアプリからの短期債購入

 

今年後半に、カザフスタン中央銀行がブロックチェーンベースのシステムローンチを計画していることが明らかになっている。これは短期債を個人投資家へ販売するためのものだ。

投資家たちはモバイルアプリを利用しシステムにアクセスすることが可能で、手数料なしで直接短期債の購入が可能になる。安い取引手数料と即座に買えるという便利さから個人投資家にとっては魅力的なものとなるだろう。

 

資産のブロックチェーン上への記録

 

ブロックチェーン上にデジタル資産を記録することは特別新しいアイディアではない。元JPモルガンの銀行員であるブライス・マスターズ氏が率いるデジタルアセット・ホールディングスはその界隈では名のしれた企業の1つだ。

2015年には既に、ブロックチェーン技術を利用した有価証券取引の記録が可能だったことはご存知だろうか。今や世界中の銀行がパイロット研究に参加し、特に証券部門における既存のレガシー・データベースをブロックチェーン技術で置き換える方法を模索している。

 

Uターン

 

政府当局が頑なにビットコインや他の暗号通貨を拒むのは、そういった暗号通貨を利用した取引の多くが匿名で行えるためだ。

また、既存の資本システムのコントロールが利かなくなる可能性も危惧しているのだろう。2013年には、カザフスタンの財務副大臣が、世界の金融システムにおける自国の地位がビットコインによって脅かされる可能性があると発言している。

しかし、ブロックチェーン技術の持つ大幅なコスト削減等のポテンシャルから、昨今では様々な国々で政府や銀行がブロックチェーン技術を取り入れ始めている。有価証券をブロックチェーン上で取り扱えるようになれば、中央銀行は利用者に必要な厳密な利用基準を希釈すること無くビットコインの利点を享受することが可能になるだろう。