米資産運用会社のタトル・キャピタル・マネジメントは1月25日、2023年3月にローンチしたインバース・クレイマーETF(SJIM)を2024年2月13日にクローズすると発表した。

SJIMは、米投資番組の人気司会者で、世界でも指折りの著名金融評論家のジム・クレイマー氏が勧める銘柄を売り建てる「逆張り」で構成されるETFだ。ローンチ以来、15%減となったが、240万ドルしか資金を集められず低調な運用成績だった。

SJIM’s price since its March 2, 2022, launch. Source: Yahoo Finance

SJIMに対して、クレイマー氏の推奨通りの銘柄を買い建てることで構成される「ロング・クレイマーETF(LJIM)」もローンチしていたが、こちらは先にクローズされている。LJIMの運用成績は130万ドルで2.2%のリターンだった。

クレイマー氏は、投資助言をする際に間違えたり、態度を変えたりすることで仮想通貨や株式の個人投資家の間で有名で、笑いの種にもなっている。 特に仮想通貨に関しては、過去に「価値がない」とこき下ろしていたにもかかわらず、突如態度を変え「多くの利益を得た」と発言したこともある。 1月26日のXの投稿では、再びビットコインの売却を促している。

SJIMとLJIMの両ETFは、メディアにおける株式評論家、特にクレーマー氏に追随することの危険性と、説明責任の欠如を指摘するために立ち上げたとタトル・キャピタルのマシュー・タトルCEO兼最高投資責任者(CIO)は述べた。

「私たちは使命を果たしたと思っているが、個人投資家がボラティリティの高い商品に注目したために、両ETFのポートフォリオへの関心を高めることができなかった」と運用成績が低調だったことを説明した。

タトルCEOは、他のETFが成功しているため、「このポートフォリオを運用し続ける時間がなかった」とも弁明している。 同社はまた、ビットコインにレバレッジを掛けた6つのETFを申請している。倍率は1.5倍、1.75倍、2倍のロングとショートだ。