IT企業やその製品が形作られる背景は、その歴史において企業や製品自体が果たす役割と同等に重要なものだ。

 

過去を偽ることは、将来的に深刻な問題に繋がりかねない。NEMとMijin、どちらも日本の業界発展のルーツとして重要なブロックチェーン・プロダクトである。最近では「仮想通貨とブロックチェーン」という書籍が出版され、その中で武宮誠氏がNEMの創設者であり、NEMとMijinのブロックチェーンプロジェクトにおけるリード開発者であるという旨が記述されており話題になっている。NEMはその後、武宮氏はNEMの発明者ではなく、NEMやmijinの創設者でも開発者でもないとの内容を明示した声明その全文を公開している。

NEMの開発チーム

 

問題の本質は、武宮氏がNEMの創設者でないのならば、では誰がそうなのかという点にある。

 

NEMプロジェクトに関するアナウンスがあった2014年1月19日、「utopianfuture」というユーザーにより、誰がそのメンバーであったかについては明確にされていた。

 

こちらのリンク先の情報から明らかなように、武宮氏はNEM創設者の一員ではない。NEMからコインテレグラフに寄せられたメッセージによれば、2014年2月4日に武宮氏からNEMのチームに参加できないかという旨の要望があったという。そのメッセージはプライベートメッセージという形で、「Jaguar」なる人物宛に送られている。