◆エネルギー研究者のジョナサン・クーミー博士は、ビットコイン(BTC)が地球のエネルギー問題に発展するという推論を疑問視
◆クーミー博士は、インターネット黎明期で出たメディアによる予想が外れていたと指摘
◆29日にはネイチャー誌が「ビットコインで地球温暖化が加速」という論文を掲載した
ビットコイン(BTC)は、地球のエネルギー問題に発展するのか?エネルギー研究者のジョナサン・クーミー博士は、懐疑的だ。
仮想通貨のエネルギー問題を深刻に捉える声は多く、たとえばニューズウィークは去年12月、「ビットコインのマイニングは2020年までに世界の全てのエネルギーを消費する見込みだ」と報じた。こうした報道をクーミー博士は疑問視。29日に自身のブログで「ビットコインがエネルギーを大量消費する」と単純な推測をすることに警鐘を鳴らした。
「ITが経済的に重要だからといって、たくさんの電力を消費するに違いない。しかし単純にそれは間違っている」
クーミー氏のブログについてはThe Blockが最初に報じた。
例えば、インターネットの黎明期。クーミー博士によると、多くの大手メディアはインターネットが「2000年に米国の電力の8%を消費」し「10年後には50%まで上昇する」と主張していた。しかし、その後数年間に及ぶピア・レビュー(専門家同士の査読)リサーチの結果、実際に2000年にインターネットが使った米国の電力は全体の1%で、それが全体の半分まで上昇したことはなかったそうだ。
クーミー博士は、同じく単純なエネルギー消費予測を疑問視するマーク・ビーヴァンド氏が分析したデータによれば、「2018年の1月時点でビットコインは世界の電力の0.1%しか使っていなかった」。「仮想通貨による電力消費がどの程度なのか、結論を出すのは時期尚早」で「投資家を誤った行動に走らせてしまう」と警告した。
同日のネイチャー誌
「ビットコインで地球温暖化が加速」
29日ネイチャー誌は、「ビットコインによる二酸化炭素の排出量だけで地球の気温が2度以上上昇する」という研究結果を報告した。地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」では気温上昇を2度未満、できれば1.5度に抑えることが目標に掲げられている。
ネイチャー誌に論文を掲載した気候変動科学者によると、2017年に行われた3142億のキャッシュレス取引のうち、ビットコインのシェアは約0.033%。新しい技術の黎明期には「加速的な成長」が見込まれるのが一般的であると認識しつつも、気候変動科学者は、成長を低めに見積もったとしてもビットコインが「100年以内に」すべてのキャッシュレス取引量と同等になると予想。そうなれば、ビットコイン使用による二酸化炭素の排出量だけで「22年以内に2度の壁を突破する」と結論づけた。
その上で科学者らは「一ブロックあたりの取引量を増やしたり、(マイニングの)プルーフ・オブ・ワークにかかる時間を減らしたり難易度を低くしたりすること」を「早期の解決策」として提案した。
マイニングは大量のコンピューターを使って高度な数学の問題を解くことでブロックチェーン上の取引承認することを指す。その際に大量の電力を消費することから、地球環境に悪いという声が上がっていた。
ビットコインは環境に対してどのくらい悪影響なのか。専門家の間でも意見が割れている。
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