機関投資家はまだ仮想通貨市場への信頼を取り戻していないようだ。週間での仮想通貨投資商品の取引額は2020年10月以来で最低レベルに落ち込んでいる。

コインシェアーズの週間レポートによると、7月5日から9日までの間の仮想通貨投資商品の取引額は15億8000万ドルだった。

また、仮想通貨投資商品では1週間で400万ドルの流出があり、ビットコイン商品では約700万ドルの流出があった。レポ―トによれば、ビットコイン商品の資金流出入には地域ががあり、北米のプロバイダーでは一貫した流入を確認したが、欧州のプロバイダーでは流出が続いている。

イーサリアム(ETH)商品では1週間で80万ドルの少額の流入がみられた。

Capital flows for institutional crypto products: CoinShares

コインシェアーズの最新データは、BTC商品とETH商品の合計で6300万ドルの流入があった先週に比べると、機関投資家がより慎重になっていることを示している。

機関投資家向けビットコイン商品は、過去9週間のうちに8週間で流出を記録している。イーサリアムでも慎重な投資家はETHへのエクスポージャーを減らしており、6月6日に終わる週からの流出額合計は6430万ドルにのぼった。

投資家はBTCとETHに対して慎重なようだが、その一方でマルチアセット商品への流入は続いている。セクター全体でリスクを分散する傾向があるようだ。

マルチアセット商品は年初来から3億6200万ドルの資金が流入しており、現在マルチアセット商品は運用資産全体の16.5%を占めるようになっている。

コインシェアーズは、次のように書いている。

「ビットコインやイーサリアムと比較して流入は比較的少ないままであるが、データは投資家がデジタル資産の保有を多様化することを求めるようになっていることを示している」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン