国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は10日、米主要経済番組CNBCのインタビューに答えて、仮想通貨を含むデジタル通貨が既存の銀行システムを揺さぶっているのは確かだと発言した。

首都ワシントンで行われているIMFの春の会合で取材に応じたラガルド氏。商業銀行のビジネスモデルが変化しているのは、仮想通貨のようなイノベーションが既存の金融システムに大きなインパクトを与えている証左だという考えを示した。

「1年前に我々が話題にしていたビットコインとは別物であっても、仮想通貨や暗号資産など分散型技術を使うものはなんでも、既存の金融システムを揺さぶっているのは確かだ」

ただ一方でラガルド氏は、そういった変革は規制を伴わなければならないと指摘。「既存のシステムを揺さぶりすぎて必要な安定性を失うようなイノベーションはいらない」と付け加えた。

ラガルド専務理事が仮想通貨について発言するのは今回が初めてではない。

昨年11月、中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)の可能性を考慮する必要があると発言。「テクノロジーは変化します。私たちも変化しなければなりません。私たちが枯れ枝の残る最後の葉っぱになってはいけません」と主張した。