アイスランド 仮想通貨マイニング企業の電力消費が家庭消費を凌駕

 北欧アイスランドでは今年、仮想通貨マイニングによる電力消費量が一般家庭における電力消費量を超えるようだ。寒冷な気候と再生可能エネルギーが利用しやすい同国に仮想通貨マイニング企業が流入していることが主な原因だ。AP通信が今月12日伝えた。

 アイスランドの電力会社Hitaveita Sudurnesja社のヨハン・スノーリ・シグルベルクソン氏は、同社で仮想通貨マイニングのために消費される電力量は今年倍増し100メガワットに達すると予測。34万人のアイスランド国民が家庭で消費する電力量を超えると予測する。

 シグルベルクソン氏はAPに対し、数ヶ月前は「この傾向を予測できなかった」と話す。「しかしその後、ビットコイン(により消費量)が急増した」。最近も、18メガワットの電力購入を希望する、あるマイニング企業と面会したと言う。

 大量の電力を消費する現在の仮想通貨マイニング方法については、代替手段も提案されている。プルーフ・オブ・ワークの代わりにプルーフ・オブ・ステークの仕組みを使ったり、マイニング用コンピューターの電源に再生可能エネルギーを利用する方法だ。

 アイスランドは自然エネルギーが豊富で、石炭火力発電が主の中国のマイニング現場よりも公害の発生が少ない。アイスランドでは地熱発電や水力発電を利用することができ、どちらも石炭より安価で、環境への影響が小さい。

 アイスランド南部の半島にある海辺の町ケプラビークには、同国最大のビットコイン マイニングサイトが3つある。それらのマイニング“工場”は屋外に向けて開かれた建物の作りをしており、冷たい風を取り入れて、マイニング用のハードウェアを自然の力で冷却している。

 米国ではマイニング企業がより安価な電力を求めてワシントン州に大挙して移動し始めている。同州のある小さな郡ではデータインフラがたちまちオーバーロードに陥ってしまった。現在でも100メガワットが不足している。

 アイスランドの反体制政党である海賊党のスマーリ・マッカーシー氏は、マイニング企業は同国内における「価値創造」カテゴリーに該当するとして、ビットコインのマイニングから得られた利益に課税する可能性を提議している。

 マッカーシー氏はアイスランドにおけるマイニング産業の勃興が同国に何をもたらすのか不安を感じているという。「我々は何か実態の無い物、投機以外にはあまりユースケースが無い物を生み出すために何十メガワットもの電力を消費している。しかも今後何百メガワットにもなるかもしれない。良いないことだと思う」。


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