英国拠点の匿名アーティストであるバンクシーのアート作品が燃やされ、ノンファンジブル・トークン(NFT)になった。このNFTは9日にNFTマーケットプレイスのラリブル(Rarible)で競売にかけられる予定だ。

問題のバンクシー作品は「Morons(能無し、ばか)」と題された風刺画で、「I can't believe you morons actually buy this shit(こんなクソ作品を買うお前らのようなバカがわからない)」という言葉が書かれ、オークションで入札するバイヤーが描かれている。作品はバンクシー自らが設立したバンクシー作品認証機関Pest Controlの認証を受けている。

「Morons」はもともと、2019年にロンドンの大手オークションハウス、クリスティーズで売却され、3万2500ドルで落札された

Moronsの焼却はニューヨーク州ブルックリンで行われ、このほど作成されたツイッターアカウント「BurntBanksy」でライブストリーミングされた。この焼却はブロックチェーンプロジェクトである「インジェクティブ ラボ(Injective Labs)」のメンバーによって行われたようだ。

今回のトークン化は偽物であるという情報はない。最近では、ダミアン・ハースト氏などそのほかの著名アーティストなどもビットコインやイーサでの購入を受け付けると発表している

2020年12月には900万ドルのトークンが販売されたように、NFT市場は活況を呈している。米国でYoutuberとして活躍するローガン・ポール氏や起業家のマーク・キューバン氏が注目するようにNFT市場は急速に成長している。NFTトレーディングカードゲームのNBA Top Shotは売り上げが245億円を超えた。

バンクシー作品のオリジナルでは、意図的に破壊され、その後価値が上がることがある。2018年には「Girl With Ballon(風船と少女)」がサザビーズのオークションに出品され、落札と同時に額縁に仕懸けれらていたシュレッダーで絵の下半分が裁断され、作品名も「Love Is in the Bin(愛はごみ箱の中に)」に改題された。作品はその後、価値が高まったと評された。

9日にオークションにかけられるMoronsのNFTの収益金はすべて慈善団体に寄付される予定だ。

偽物や贋作が多いアート業界において「Morons」は世界で最も信頼され、安全なバンクシー作品になるかもしれない。ブロックチェーンに記録されれば偽造や改ざんなどが行われる可能性は限りなく低くなるからだ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン