現実世界における経済的リソースへのアクセスは、法律などに規制されて限られている。過剰利用することで、それらを吸い尽くし、破壊へと導いてしまうかもしれない。無制限にブロックチェーンへとアクセスすることでも同じようなことが起こり得るのだろうか?

 

ブロックチェーンの過剰利用

ビットコインブロックチェーンの平均ブロックサイズは2015年2月の時点で0.37MB、そこから増加し2016年2月には0.74MBへと増え、稼働率は倍増している。Blockchain.infoに寄せられ続けている苦情に対して、CEOであるPeter Smith氏は次のようにツイッター上で次のようにコメントしている―

 

「とはいえ、これは過去私が述べたように、将来起こり得る問題がその早期的兆候を見せているということです。我々は未来に向けてしっかりと計画を練る必要があります。

― Peter Smith (@OneMorePeter) 2016年3月8日」

 

現実世界で資源を過剰に利用すると、しばしばそのコストの増大と、利用する際に課される制限の増大をもたらすが、似たようなメカニズムは、仮想的な分散型の世界においても資源を保守するために起こる。マイニング・ルールは(非常に小さく、不経済な)トランザクションをブロックするよう、進化してきている。取引手数料は、ブロックチェーンを利用したユーザーに対してコストを要求する。これには一般的に、理不尽なブロックチェーンにおける不正を阻止する働きがあるが、これに対する例外として、多量のトランザクションを送りブロックチェーンのキャパシティをチェックするストレステストが挙げられる。

 

技術の進歩

どの自然資源の場合においても、我々が知る通り、通常資源は段々とその数を減らしていくが、その数を保守しようと人間が奮闘するため、結果的に技術は進歩し、そこからさらに飛躍し最大値を捻出することが出来る。ビットコインの場合は、ブロックサイズに関しての論争が存在する (そこに費やされる情熱は不健全なものである)。

ブロックサイズが増加すれば、単体のブロックに含まれるトランザクションの数も増加することになり、効果的にブロックチェーンのキャパシティを拡大することになる。

ブロックチェーンのサイズに関する問題は、フルノードを走らせている人々にもまた影響を及ぼしている。ブロック数を増やすことで、結果的に60GBを超えるほどにサイズが増加する一方で、ハードウェア開発(ハードディスクの容量、プロセッサーの速度など)における通信プロセスのおかげで、一般ユーザーは問題なくフルノードを確実に走らせることが出来ている。ムーアの法則が成り立つ限り、ブロックチェーンのサイズによって問題が起きる可能性は低い。加えて、例え、ブロックチェーンが一般ユーザーの手に負えないものになってしまった場合であっても、ブロックチェーンの圧縮や、切り捨てられたブロックチェーンを利用するなどして実装することが可能だ。