4日の仮想通貨(暗号資産)市場は、米ドル指数が複数年来のサポートから反発したことで投資家心理が悪化、10000万ドルのサポートをなんとか保っている。ビットコインは過去24時間で10%を超える下落。イーサ(ETH)も400ドルを割っている。

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(出典:Coin360 9月4日 午前11時30分)

仮想通貨データ分析企業のスキューによると、今回の急落では100倍レバレッジが有名な海外の仮想通貨取引所ビットメックスだけで7500万ドル相当のロングポジションが清算された。ビットメックスでこの直前にも1億ドル相当が清算されている。

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(出典:スキュー)

トレーダーが現在注目している重要なレベルは、6月と7月の間でビットコインが過去突破するのに苦労した9500〜9600ドルのレンジに向かうのかどうかだろう。

eToroの仮想通貨アナリストであるサイモン・ピーターズ氏は、コインテレグラフに対して、強気相場の構造は何も変わっていないと話した。

同氏によれば、1万ドルを下回るまでは、大規模な調整はありえない。

「8月の間破られなかった1万1300ドルの水準が破られた。新たな底として1万ドルが意識されるとみている。現在、200日間EMA(指数平滑移動平均線)が位置しているところでもある。テクニカル的な観点から言えば、さらなる下落を抑えるポイントになるだろう」

長期的な見通しとしては依然として強気の姿勢を示すアナリストは多い。

仮想通貨アナリストのDonAlt氏は、今回の下落について、「強気派として興奮するようなものではない」として、現在の12000ドル付近の直上のレジスタンスが強いことから、当然の調整であると話した。同氏は今回の下落が8月初旬から始まっている調整期間の一種と考えているようだ。

「今回の長い調整がなければ、レジスタンスを破れないだろう」

(出典:Don Alt)

著名テクニカルアナリストは米ドルに集中

一方で著名テクニカルアナリストであるピーター・ブラント氏は4日、2日前から自身のポートフォリオで、株やFX、ビットコインの保有を終了し、米ドルに集中させていると明らかにした。

「個人的に、最近2日間でほぼ全てのポートフォリオ(株、FX、ビットコイン)を終了し、資産を米ドルに戻したよ」

今回のビットコイン急落は米ドルの上昇が一つの理由とみられている。金価格も同様に米ドルの上昇によって下落した。

ブラント氏はこれまでに通貨システム全体が法定通貨を超えて進化するとの見解を示している。しかし、ビットコインが現状、価値の保存手段としては機能していないと指摘している。

「世界の商業の何%が仮想通貨で行われている?多国籍企業何社がビットコインを使った金融商品を持っている?」