香港政府がデロイトや大手銀行と共にブロックチェーンを応用した貿易金融プラットフォームをローンチ

四大監査法人の1つであるデロイトと共に、香港通貨当局(HKMA)と香港の大手地元銀行5社が正式に貿易金融のためのブロックチェーンプラットフォームのローンチを行った。

今月初め、HSBC、中国銀行、東アジア銀行、ハンセン銀行、スタンダードチャータード銀行などが、貸付や、信用状の発行、ファクタリング、輸出信用や輸出保険などの貿易金融業務を行うためのブロックチェーンプラットフォームの共同導入を発表した。

香港政府は、デロイトや提携銀行と共にブロックチェーン技術の従来の金融業界におけるケイパビリティを図るためのブロックチェーンプラットフォームをローンチしたとHSBC国際シニアプロダクトマネージャーであるJoshua Kroeker氏は語る。

同氏曰く、重要なのは、HKMA5社の提携銀行が大半のプロセスをオートメーション化することにより、詐欺的行為が行える可能性を無くし、貿易金融におけるブロックチェーン技術を利用した効率化と、透明性とセキュリティの向上を掲げているということであるという。

貿易金融における業務の大半は、その複雑さから人の手により手動で行われている。多くの団体が単体の契約の履行のためだけに丸々関わっていることが多く、同業界内の企業は手動でそれぞれの業務の処理を行っている。

加えて、貿易金融において提供される多岐にわたるサービスにより、企業はサーバーやデータベースのいくつかをそれぞれ異なる業務の維持のために運営しなければならないのが現状だ。

アドバンテージ

ブロックチェーン技術により、貿易金融会社や銀行などの組織は、1つのプラットフォームで様々なオペレーションを取り扱うことが可能になる。トークンと暗号署名を利用することで、銀行は改ざんが不可能なブロックチェーン上にデータを組み込むことができ、一度データがブロックチェーンネットワークを通じて公開されると、すべてのネットワーク参加者はアップデートされたデータにリアルタイムでアクセスすることができる。

これまでにないレベルの透明性とブロックチェーン技術のセキュリティにより銀行は自律的にオペレーションを処理することが可能だ。様々なプラットフォーム間で執り行われる取引や決済の流れを記録するのではなく、銀行はすべてのデータを1つのブロックチェーン内に組み込むことができる。

サウスチャイナ・モーニング・ポストとのとあるインタビューで、Kroeker氏は次のように述べている

「世界で最も巨大な貿易金融を取り扱う銀行として...企業による取引の流れの追跡や、請求書または注文書照合による取引の調整、提携している銀行の資金調達による重複リスクを軽減することなどの支援に関心がありました。この取り組みにより、香港は取引のデジタル化における世界的な中心地となり、より簡単に、迅速かつより安く行うことが可能になりました。」

規制のハードルからの解放

香港の金融当局がプロジェクトの創始者であるため、貿易金融ブロックチェーンによるプラットフォームの実装や開発に携わる銀行は規制論争に巻き込まれることから逃れることができるだろう。

実際、HKMAのエグゼクティブディレクターであるLi Shu-pui氏は、地元当局は民間企業や業界内のブロックチェーン技術のケイパビリティをテストしている銀行などとの提携を継続していくだろうと指摘している。

国際法律事務所Pinsent Masonsの役員、Paul Haswell氏などを含むアナリストたちは、香港当局の地元銀行と共にブロックチェーン技術導入に取り組むその姿勢を称賛している。

"HKMAの大手銀行との提携は、常識を覆す可能性を秘めていますし、市場と消費者の利益のため、金融テクノロジーを利用することに全力で力を注いでいます"