ハイブ・デジタル・テクノロジーズの2025年度第3四半期(10~12月期)決算は、ビットコイン価格の低迷をはねのけ、過去最高を記録した。人工知能(AI)およびハイパフォーマン・コンピューティング(HPC)分野への事業拡大が、仮想通貨市場全体の逆風を相殺しつつある。
2025年12月31日に終了した四半期の売上高は、前年同期比219%増の9310万ドルに達した。営業総利益は3210万ドルと前年同期の6倍以上に拡大し、売上高利益率は約35%となった。
この好業績は、ビットコイン(BTC)価格が当四半期中に約10%下落し、ネットワークの採掘難易度(ディフィカルティ)が約15%上昇するという厳しい局面で達成された。2024年の半減期以降、業界全体でマイニングの採算が圧迫されているなかでの健闘だ。
ハイブの当期ビットコイン生産量は885BTCと前四半期比で23%増加した。一方で、ハッシュレート(採掘速度)の能力は毎秒25エクサハッシュ(EH/s)まで引き上げている。
マイニング以外の分野では、同社はAIおよびHPC事業の構築を継続している。2月には、企業向けAIクラウドサービス向けにエヌビディアの「B200」GPUを504基配備する、2年総額3000万ドルの契約を締結した。
この契約により、年間経常収益(ARR)は約1500万ドル積み増され、同社のHPC部門の年換算売上高は約75%向上する見込みだ。
同社はGPUクラウドとコロケーション能力の拡大により、HPC全体の売上高を2億2500万ドルまで引き上げる計画の一環として、2026年第4四半期までにAIクラウド事業のARRを1億4000万ドルにすることを目指している。

マイニング依存からの脱却、進む多角化
ハイブはビットコインマイニングの上場企業として先駆け的存在だが、数年前からHPCインフラへの転換を進めてきた。経営陣がマイニングセクターにおける競争激化と利益率の低下を予見していたためだ。
この多角化戦略は、足元で重要性を増している。2024年の半減期でブロック報酬が削減された後、マイニングの収益性は急激に悪化。さらに難易度の上昇と価格変動が追い打ちをかけた。2025年10月の高値からビットコインが反落したことで、多くのマイナーが資本配分やインフラ戦略の再考を余儀なくされている。
ビットコインマイニングを現金創出源(キャッシュ・カウ)とし、AI・HPCで継続的な収益を築くハイブの「デュアルエンジン」モデルは、ビットコインの価格サイクルに左右されない安定性を求める上場マイナーたちの広範なパラダイムシフトを反映している。

アイレン(IREN)やテラウルフ(TeraWulf)など、他の複数のマイナーもAI関連のワークロードへと舵を切っている。アナリストの間では、次のインフラの「スーパーサイクル」を牽引するのは仮想通貨ではなくAIであるとの見方が強まっている。

