自動車の大量生産を実現したヘンリー・フォードは仮想通貨が発明されることを予想していたのかもしれない。
JPモルガンの元アナリストでブロックチェーン研究者のトーン・ベイズ氏は「The Energy Standard」というタイトルの記事から、将来的にビットコインだけが仮想通貨として残る理由を「発見」した。
この「The Energy Standard」はデジタル資産運用会社カプリオールのチャールズ・エドワード氏が執筆したブログ。ブログにはフォード氏が100年前にニューヨーク・トリビューン紙に「エネルギー通貨」を提案したことが紹介されている。
フォード氏は、水力などのエネルギーに裏付けされた通貨を発行することを考案。各国がそれぞれの天然資源を活用できるようになり、すべての国がゴールドに代わることができる通貨を持つことで、戦争を防ぐことができると予想した。
この中でフォード氏は通貨の価値基準についても話しており、「エネルギー通貨システムの下では、1時間で1ドルに相当する一定の量のエネルギー」と提案。
エドワード氏は「ビットコインもマイニングのエネルギーによって裏打ちされている」としてフォード氏の考案した通貨システムがビットコインと同様のものだと指摘している。
「より多くのエネルギーを投入した場合にのみ、より多くのエネルギー通貨を発行することができる。これはまさにビットコインが行なっていることだ」
ただ、1920年代には、エネルギー消費に基づいて経済的価値を割り当てることは事実上不可能だったため、計画を現実にする方法はなかった。そのため、計画は実現しなかったという。
しかし、エドワード氏は「エネルギーで裏付けされた通貨が機能していることは、現代では明らかだ」と強調し、エネルギーに裏打ちされた通貨としてのビットコインが、通貨として残る唯一の仮想通貨になるとしている。