ゴールドマン・サックスは、今年後半に米国とヨーロッパで3つの新しいトークン化商品を立ち上げる準備を進めている。これは、仮想通貨に対する顧客の関心が大幅に高まったことを受けてのものであると、フォーチュン誌が7月10日に報じた。フォーチュン誌は、同社のデジタル資産部門のグローバル責任者であるマシュー・マクダーモット氏へのインタビューを掲載した。
マクダーモット氏は詳細を明かさなかったが、ゴールドマン・サックスがトークン化された現実世界資産(RWA)の市場を創設し、米国のファンドコンプレックスとヨーロッパの債券市場に焦点を当てる計画だと述べた。同氏は、これらの新商品が一般投資家ではなく金融機関を対象にしており、パーミッションドブロックチェーンのみを利用する予定だと語った。また、RWA市場は実行速度と担保として使用できる資産の種類を拡大することで差別化を図るとしている。
マクダーモット氏は、デジタル資産の上場投資信託(ETF)の普及が進んでいることが、「仮想通貨の勢いが再燃」している原因だとした。1月に米国の規制当局が現物型ビットコインETFを承認し、現在は、規制当局が複数の現物型イーサETFの登録申請を審査している。アナリストは今月中にもイーサETFの取引が開始されると予測している。
米国では、RWAに特化したファンドが注目を集めている。特に、ブラックロックのUSDインスティテューショナル・デジタル・リクイディティ・ファンド(BUIDL)のようなトークン化されたマネーマーケット商品を扱うファンドがその例だ。BUIDLは今週初めに運用資産が5億ドルに達した。フランクリン・テンプルトンのオンチェーン米国政府マネーファンド(FOBXX)は、運用資産が約4億ドルで僅差の2位に位置している。

フォーチュン誌によれば、仮想通貨における投資銀行の機会は、今後数か月でさらに拡大する可能性がある。特に、次期大統領選挙が米国の規制姿勢を緩和する場合だ。「承認を得られれば、実行やサブカストディのような他のことにも自然に興味を持つことがあるだろう」とマクダーモット氏は語った。