GMOインターネットの熊谷正寿グループ代表は9日、仮想通貨交換業を展開するGMOコインで取引所サービスを今月15日に開始する計画であることを明らかにした。GMOコインは販売所とFX事業を手掛け、現在は取引所サービスを展開していない。取引所サービス開始で、収益力を強化する狙い。またビットコイン価格については、ETF登場で「大きく価格が動く」と予測する。

 GMOインターネットは9日に2018年12月期中間決算の決算説明会を開催。説明会の中で熊谷代表が仮想通貨事業について語った。

 熊谷氏は「仮想通貨事業と、(7月に発表した)ネット銀行事業の元年だ」と語り、グループ全体でこれらの事業を伸ばしていくと強調した。

 マイニング事業と交換業とを合わせた仮想通貨事業18年4~6月期の売上高は26.5億円。熊谷氏は「わずか1年で、ネット金融事業の3分の1、(23年前に始めた)ネットインフラ事業の10分の1の規模にまでなっている」とし、「仮想通貨事業がビジネスになるとの確信を深めた」と語る。

 傘下のGMOコインの交換事業は「従来はFXに力を入れていたが、取引所サービス開始で収益力をさらに強化したい」と語る。また口座数が順調に拡大していることも「手ごたえを感じている」という。

 マイニング事業は4~6月で売上高は11.7億円、営業損益は3.6億円の赤字だった。赤字となったのは、マイニングしているビットコイン価格の低迷と、ハッシュレートの上昇によって、収益性が低減したため。

 今回の赤字を受け、熊谷氏はマイニング事業については方針を転換すると表明。同社が開発したマイニング装置の販売を最優先にし、自社マイニングやクラウドマイニング事業の優先順位を下げる。また自社マイニングについても、より安価な電力の調達を検討するとした。

 10月出荷予定のマイニング装置は「大口からは万単位の仮受注がある」と、受注が好調であると語った。6月に発表した「GMO miner B2」は完売しており、バージョンアップした「B3」も投入した

 またビットコインの価格の先行きについても私見を披露。ウォレット数の増加が再加速していることを挙げ、「(ビットコイン)ETFへの期待感が背景にある」と指摘。金のETFが登場した時に、金の価格が高騰したように、ビットコインETFの登場で「大きく価格は動く」と予測する