マウントゴックス元CEOのマルク・カルプレス氏が、2019年に元日産会長のゴーン氏と計3回会っていた。ゴーン氏と日本の司法制度について話し合ったという。デイリー新潮が22日に報じた。

カルプレスはデイリー新潮に次のように証言している。

「(ゴーン氏との)出会いは19年5月で計3回会った。自分の事件のことを話したが細かいところまでは入らなかった。(日本の司法制度についての不満は)会見でお話しされていたことと同様だった」

そのうえでカルプレス氏は、ゴーン氏の国外逃亡という選択については「私は賛成できない」と語っている。保釈されていれば、裁判で戦う上での大きな制約は取り除かれていたはずだと指摘。ゴーン氏の行為によって「今後、外国人の被告の保釈が認められるなくなるきっかけになりかねない」と懸念を示している。

カルプレス氏自身は、マウントゴックス破綻を巡り、検察から業務上横領罪や私電磁的記録不正作出・同供用罪などに問われ、懲役10年を求刑された。カルプレス氏は裁判で戦うことで業務上横領罪については無罪を勝ち取り、懲役2年6ヶ月、執行猶予4年の判決を受けた

カルプレス氏は自身の経験から、日本の司法制度には「不備はたくさんある」が、「健全な法治国家でもある。正しく戦えば正しい結果を得ることができる」と語っている。

ゴーン氏がカルプレス氏の裁判に関心を向けていたことは、米メディアのニューヨークタイムズも以前に指摘していた。日本在住の米国人ジャーナリストに面会し、カルプレス氏の事件との類似点を探していたとされる。

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