2024年に発生した住宅侵入事件で、17歳の少年を誘拐し35万ドル相当の仮想通貨を奪ったとして、ロサンゼルス市警(LAPD)の元警察官が有罪判決を受けた。
ロサンゼルス・タイムズの報道によると、ロサンゼルス郡上級裁判所の陪審は月曜日、約2週間にわたる裁判の末、エリック・ハレム氏に対し誘拐および強盗の罪で有罪評決を下した。
ハレム氏と他の3人の男が警察官を装い、令状による捜索を行うふりをして、少年が借りていたアパートに侵入した。少年は仮想通貨で多額の資産を保有していたとされる。
検察によると、少年は証言の中で「ダニエル」という名前のみを明かし、ハレム氏らが殺すと脅したため、ビットコイン(BTC)が保存されたハードドライブを渡したという。
今回の事件は、いわゆる「レンチ攻撃」と呼ばれるものだ。レンチ攻撃とは仮想通貨保有者に対し、脅迫や暴力を用いて実力で資産を奪う手口だ。仮想通貨セキュリティ企業サーティックによると、2025年には世界で72件の同様の事件が発生し、2024年から75%増加した。
警察を装い侵入、手錠で拘束し仮想通貨要求
報道によると、ハレム氏とる3人の共犯者は警察であることを示すベストを着用していた。アパートを貸し出していた共犯者から入手したアクセスコードを使い、少年の部屋に侵入したという。
その後、男たちは少年のガールフレンドをLAPD支給の手錠で拘束し、17歳の少年本人も手錠で押さえつけた。さらに仮想通貨が保存されたハードドライブを渡さなければ殺すと脅したと、被害者は証言している。
ハレム氏はLAPDで13年間勤務し、2022年に退職したものの、事件当時は予備警察官として勤務を続けていた。また高級車レンタル会社や、俳優が遠隔でオーディションを受けられるアプリなどの事業も手掛けていた。
一方、ハレム氏の弁護士であるメーガン・メイティア氏は最終弁論で、捜査当局が17歳の被害者の証言を裏付けていないと主張した。弁護側によると、この少年は証言の中で、自身の仮想通貨を詐欺によって入手したと認めていたという。
同氏はまた、警察が少年の「ビットコインを奪われた」という主張をそのまま信じただけだと指摘した。
証言を行わなかったハレム氏の量刑言い渡しは3月31日に予定されている。共犯者3人はまだ裁判を受けておらず、そのうち1人はイスラエルの組織犯罪との関係が疑われているとされる。彼らはいずれも無罪を主張している。

