前Bitcoin Coreの開発者で暗号研究者、Jeff Garzik氏が、Linux Foundationの役員として正式に任命され、Intelや、Panasonic、Qualcommなど、数十億ドル規模の企業の幹部たちがブロックチェーンの共同開発を推進するため一堂に会した。
現在では、Garzik氏は、ビットコインやブロックチェーンの分野に精通した唯一のLinux Foundationの役員として在籍している。Garzik氏は、Pythonを利用したビットコイン向けのマイニング・ツールや、ライブラリの開発など、同業界には多大な貢献をした人物として知られている。
公式発表の中で、Linux FoundationのJim Zemlin事務局長は、Garzik氏の持つ専門知識と、ブロックチェーンのエコシステムに与える影響は大きく、200を超える企業メンバーの中から選出され、皆自信を持ってGarzik氏を役員として招くことが出来たと語っている―
JeffをLinux Foundationの役員として迎えることが出来て弊社一同皆嬉しく思っています。彼が200を超える企業メンバーの中から選ばれたのは、彼が技術者として、そして戦略家として、評価されていることの証だと思います。
Bloq CEOとしてのGarzik氏
過去何年もの間、Garzik氏は自身のブロックチェーン企業、Bloqの開発に専念しており、企業レベルでのブロックチェーン・ソリューションを大手グローバル企業に提供していた。
他のブロックチェーンサービスを提供する企業とは異なり、Bloqの企業理念は、高いレベルのセキュリティと透明性を提供することが可能なブロックチェーンネットワークにおける2つの主な特徴である、オープンソース技術と分散化を中心に展開されていた。
Bloqは、他のDeloitteを含む大手研究機関と同様、既にLinux Foundationの共同ブロックチェーン開発プロジェクト、Hyperledgerのプレミア・メンバーのいくつかと戦略的パートナーシップを結んでいる。
オープンソース技術の重要性
選出に際して、Garzik氏は、Bloqの企業理念と、ブロックチェーンベースのアプリケーションや、プラットフォーム、ネットワークの開発を、オープンソース技術で行うことの重要性を強く説いている。
“革新的な技術の育成と開発において、オープンソースであることは極めて重要だ”と、Garzik氏は語る―
Linuxが世に出て間もない頃にも同じような体験をしましたし、ブロックチェーンもそうであることは否定できません。Red Hatによって、Linuxは大企業でもアクセス可能なものになりました。今、Bloqによってブロックチェーンにも同じことが起ころうとしているのです。
Irohaのような様々なHyperledger承認プロジェクトにGarzik氏が参加することで、オープンソースプロジェクトの基盤はより強固なものとなり、ブロックチェーン技術を導入しようと躍起になっている銀行や金融機関などに対して、ブロックチェーンプロジェクトをオープンソース化することの重要性を知らしめていく形となるだろう。