ノンファンジブルトークン(NFT)のブームには減速の兆しは示していないようだ。最近ではクリプトアートを取り巻く熱狂を皮肉るような新しいコレクションが登場している。

このNFTコレクションは「ノンファンジブル・チューリップ」といい、NFTマーケットプレイスであるオープンシーで販売されている。これらは「113のユニークなアルゴリズムで生成されたコレクタブルなチューリップ」と説明しており、Raribleでオークションにかけられている作品を数多く手掛けるデジタルアーティスト”@jtbxl”によって作成された。

NFTのテーマにチューリップを選んでいるのは、オランダでのチューリップバブルとひっかけたものだ。オランダでは17世紀に発生したチューリップバブルで、球根が異常な高値で取引される事態となったが、1637年2月にこのバブルは崩壊することになった。

エンジェル投資家のブラッド・ミルズ氏も3月11日に今のNFTブームが将来チューリップバブルのようになるだろうと予言している

「5年以内に、人々は2021年のNFTブームをデジタルなチューリップバブルとみなすだろう。有名人やスポーツスター、ソーシャルメディアのインフルエンサーからNFTを数万ドルで購入することは、彼らの帽子やTシャツを数千ドルで購入するようなものだ」

仮想通貨投資家のライアン・ショーン・アダムズ氏は、Dapper Labsの仮想通貨FLOWの時価総額が急騰している点に触れ、現在のNFTブームが異常な水準になっている兆候だとコメントしている。

Dapper Labsは、人気のあるNFTコレクション「クリプトキティーズ」や「NBAトップショット」を手掛けている企業だ。

現在のFLOWの希薄化後の時価総額で415億ドルとなっており、バイナンスコインの時価総額に接近している。NFTがブームとなったことで、FLOWの価格は急騰。過去30日間でFLOWトークンは63%上昇している。

Dapper Labsのブロックチェーン「Flow」は、アンドリーセン・ホロウィッツやワーナーミュージック、ユニオンスクエアベンチャーズなどから資金提供を受け、2019年9月にローンチされた

このブロックチェーンは、ゲームやソーシャルネットワーク、NFTをターゲットにするというコンセプトのもとで立ち上げられたものだ(クリプトキティーズは2017年のブームとなった際、イーサリアムのスケーラビリティ問題に直面していた)。