著者 中村 孝也(なかむら たかや)Fisco 取締役(情報配信事業本部長・アナリスト)

日興證券(現SMBC日興証券)より2000年にフィスコへ。現在、フィスコの情報配信サービス事業の担当取締役として、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議を主導する立場にあり、アメリカ、中国、韓国、デジタル経済、(仮想・暗号)通貨などの調査、情報発信を行った。フィスコ仮想通貨取引所の親会社であるフィスコデジタルアセットグループの取締役でもある。なお、フィスコ金融・経済シナリオ分析会議から出た著書は「中国経済崩壊のシナリオ」「【ザ・キャズム】今、ビットコインを買う理由」など。

(出典:Zaif「ビットコイン/円」)

ビットコイン テクニカル

ビットコインは2月の戻り高値115万円を明確に上回り、8月1日に一時128.4万円まで上昇した。「抵抗線A」を上に突破したことから、上値は90万円強の「支持線1」から110万円強の「抵抗線A」の倍返しである130万円強の「抵抗線B」が意識される。

その上は150万円強なども間に挟むものの、50万円強の「支持線4」からら110万円強の「抵抗線A」の倍返しである170万円強の「抵抗線C」が次の上値のめどとなる。

新型コロナウイルスショック前の高値更新を続けているNASDAQ指数に先駆けて、ビットコイン価格も同水準の更新を続けている。NYダウや日経225に対して、ビットコイン価格は1~2週間ほど先行して動いていた。ちなみに、NYダウや日経225のテクニカル的な変化日は8月20日頃になる。8月15日には国内でも決算が一巡する。業績の回復基調そこ見通せるものの、予想を大きく上回る回復ではあるまい。決算まで株価が底堅いとすれば、変化日というのは調整を意味するかもしれない。

ビットコインが先行して調整するとしたら、128.4万円とほぼ目標となる「抵抗線B」を目前に失速ということになる。ちなみに、ナスダックの変化日は9月初旬頃になる。デジタル経済を色濃く反映したナスダックとビットコインの指数が最後までしぶとく値を保ち、NYダウや日経225は先行して調整するというシナリオも考えられる。