著者 中村 孝也(なかむら たかや)Fisco 取締役(情報配信事業本部長・アナリスト)

日興證券(現SMBC日興証券)より2000年にフィスコへ。現在、フィスコの情報配信サービス事業の担当取締役。2000年代前半の新規上場(IPO)ブームの際には、IPO担当として1,000社を超える企業の調査・分析を手がけた。Zaifの親会社であるZaifホールディングスの取締役でもある。

(出典:Zaif「ビットコイン/円」)

ビットコイン テクニカル

ビットコイン価格は410万円程度の「支持線1」と510万円程度の「抵抗線A」の倍返し610万円を明確に突破、704.4万円まで上昇した。上値めどはボックス倍返しで710万円程度、2月安値455万円を起点とした100%上昇で910万円などであった。

前者の上値めど(710万円程度)をほぼ達成したが、その後に大幅調整を余儀なくされた。足もとで一時340.9万円まで調整している。

なお、赤丸の箇所2020年8月、同11月末から12月初旬、2021年1月の調整と、その後の上昇時において、ビットコイン価格は100%を上回る上昇率を達成している。約410万円と「抵抗線A」の約510万円の倍返し約610万円は、直近調整後の安値300万円からの上昇率で100%強であった。今回は910万円を達成できなかったことで、従来のパターンが崩れた格好ともなった。

日足に眼を転じてみると、こちらも上昇トレンドは否定された。ボックス下限450万円の攻防も下にブレイクとなった。450万円を下回ると週足における「支持線1」となる410万円、2021年1月安値や週足における「支持線2」となる300万~310万円が下値めどになる。7月初旬まで底練り、340万円を下限とした三角もち合いも想定し得る。なお、変化日20日頃(赤丸)での反発は短命に終わった。その次回の変化日である5月30日から6月5日かけて(赤丸)も大きな反応がなかった。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。