米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は、分散型金融(DeFi)の拡大と従来の金融エコシステムへの影響についてコメントし、適切な規制の必要性を訴えた。

9月27日にフランス銀行が主催した「金融のトークン化の機会と課題」と題するイベントで、パウエル議長は、DeFiエコシステムには「透明性の欠如を巡る非常に重大な構造的問題がある」と語った。

イベントでは、国際決済銀行(BIS)のアグスティン・カルステンス総支配人がDeFiに懸念を示したが、それに続くコメントである。

カルステンス氏は、彼ら(中央銀行や規制当局)が直面する「大きな課題」は、DeFiと仮想通貨の世界がグローバルでボーダーレスであることだと付け加えた。

パウエル氏は、DeFiと銀行システムの相互作用は金融安定性の観点からは重要ではなく、「DeFiの冬」の影響は限定的であると指摘する。しかし、規制に関して必要な作業が明らかになったと付け加えた。

「我々は、仮想通貨の活動が規制の境界内でどのように取られるかについて非常に注意する必要がある。より適切な規制が必要とされている」

パウエル氏は、DeFiが拡大し、より多くの個人消費者と接するようになれば、適切な規制を設ける必要があると付け加えた。このコメントから、パウエル氏は、現在の市場の低迷にもかかわらず、DeFiが将来大きく成長することを確信していることがうかがえる。

DefiLlamaによると、DeFiのロックされた総価値(TVL)は12月下旬の史上最高値から71%下落し、約620億ドルとなっている。この下落は、同程度の割合で後退した仮想通貨市場の下落に匹敵するものだ。

主要なデジタル資産企業は、仮想通貨の規制枠組みを明確に定義することを推進するバイデン政権の取り組みを歓迎している。しかし、米国では官僚主義の歯車がゆっくりと回るため、確固たるものが表に出るまでには多くの審議が必要になると思われる。

FRB議長はまた、米国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)について、仮に発行する場合、匿名ではなく、利用者の身元確認を含むことになるとコメントした。