ブロックチェーン協会の幹部によると、1月9日に投稿された仮想通貨市場を揺るがした米証券取引委員会(SEC)によるX(旧ツイッター)上の偽ツイートは、SECが発信した可能性は低いという。

1月16日のXスレッドで、ブロックチェーン協会の政府関係担当ディレクターであるロン・ハモンド氏は、現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)の承認を発表した偽ツイートについて、そのツイートが委員会によって発信された可能性は低いと考察している。SECが正式に1月10日に承認を行っているため、オンライン上では、SECの内部の誰かがETF承認のツイートを早まってリリースしたのではないかとの説もある。

ハモンド氏は「ニュースが誤ツイートだったと判明したとき、多くのDC関係者はコミュニケーションの失敗だと直感的に考えた」と述べた。「ETF発表のような大きなイベントに関しては、通常、機関や企業はツイートを練り上げるのに数時間を費やすので、誰かが誤って送信ボタンを押したと考えるのは理にかなっている」。

ハモンド氏はさらに次のように付け加えた。

「ツイートの多くの要素がSECのコミュニケーションスタイルではなかった。ビットコインのロゴが良い例だ。グラフィックも標準ではなかった。したがって、このツイートをした人物はおそらくSECの人間ではないだろう」

1月9日にビットコインETF承認を発表したSECの偽ツイート  Source: X

SECのゲーリー・ゲンスラー委員長は、1月9日のツイートが不正アクセスされたものだと語った。Xのセーフティチームは1月10日に、SECが2要素認証を有効にしていなかったと発表した

「アカウントに不正アクセスした人間がこの瞬間を狙って、多大な努力をしたわけだが、いまだに多くの疑問が残っている」とハモンド氏は指摘する。「しかし、SECは2要素認証を有効にしていなかったと発表された時点で、既に不利な立場に立たされている」とも付け加える。

市場を揺るがしたツイートの後、多くの米国議員がSECに関する調査を求めている。ロン・ワイデン議員とシンシア・ルミス議員は1月11日にSECのデボラ・ジェフリー監察官に手紙を送り、委員会が安全プロトコルに従わなかったことを「許されない」と批判した。SECはFBIと協力してハッキングの調査を進めている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン