ウォール街のウェドブッシュ・セキュリティーズ社幹部であったシェリ・カイザーマン氏が、ブロックチェーン投資ファンド兼コンサルタント会社を共同設立するため、同社を退職した。ブルームバーグが20日に伝えた

 カイザーマン氏は、伝統的な金融界におけるビットコイン先駆者とされている。彼女は、ウェドブッシュ・セキュリティーズで株式部門を率いていた13年に、ウォール街の企業では初めてビットコイン(BTC)評価分析の開始を承認した人物だ。同社はまた、14年には仮想通貨取引所大手コインベースのサービスを採用し、顧客がビットコインで支払えるようにしている。

 カイザーマン氏が、ブロックチェーンに興味を抱いた理由は、仲介を省くことのできる特性に惹かれたためで、

「まあ、これは新しい世界だわ、と思ったの」

 と話している。

 

 カイザーマン氏の新たなブロックチェーン投資ファンド会社であるマコ・ラ社は、最終的には4000万ドル(約41億9000万円)を調達する計画を掲げており、これまでにストローム・マネジメント・インベストメント社などから600万ドルの資金を集めている。

 ロサンゼルス拠点でコンサルタントかつ投資ファンドの同社は、共同設立者5名のうち2名が女性だ。「革新的企業に資本と人材を投資し、ブロックチェーン技術を活用して、彼らのビジネスを最適化し、促進させる」のが目的だ。同社はすでに3社に投資しており、うち1社は仮想通貨に肯定的なシルバーゲート銀行の持株会社だ。

 マコ・ラ社のロン・リードCEOは、ブロックチェーンは新興業界であるため、資本、実行可能な技術、人材などが不足しているとの認識を示し、マコ・ラ社はその問題を解決すべく、アドバイザービジネスを展開する計画だ。

 「ブロックチェーン技術を使う新進企業と協力し、数少ない有望な製品を、開発、促進していく手助けをするとともに、ブロックチェーン技術をビジネスモデルに導入したいと考える既存企業にも助言する」
同社の公式声明では、投資ファンドの主導部門が米証券取引委員会(SEC)と協議し、仮想通貨業界の規制を明確化するとしている。

 カイザーマン氏は「規制は誰をも脅かすいっぽうで、空白であった分野をバリデーションしていくことにもなる」とし、規制整備に前向きな姿勢を示した。彼女はまた、SECの証券法規制に抵触せず業務を遂行するため、マコ・ラ社は証券法の専門家を常任させるという。

 SECは現在、仮想通貨に関連する約100のヘッジファンドを調査している。