暗号資産取引所FTXが破綻したことによる信用不安をうけ、ビットコインを取引所からウォレットに移す動きが活発化している。ブロックチェーン分析会社グラスノードが指摘している。

同社によると、取引所から出金されたビットコインは過去最大規模に近い月間10万6000BTC(約18億ドル)にのぼった。このような出金ペースは、2020年11月、2022年4月、2022年6~7月のこれまで3回しかないという。

通常ビットコインが取引所からウォレットに移った場合、長期保有目的とされ強気のサインだといわれる。

ところが今回の出金の流れは暗号資産取引所に対する信用不安が引き金になっており、不安感の表れだ。

また暗号資産の開発者やその他業界を牽引するリーダーたちがユーザーに対し、暗号資産をウォレットにいれて秘密鍵を自己管理するように呼びかけていることも背景にある。

そもそもビットコインを取引所においておくのは本質的にビットコインを保有しているとはいえず、ウォレットにいれて秘密鍵を自分で管理した上で初めて所有したことになるという見方による。

また前述のグラスノードによると、暗号資産取引所にあるUSDT等のステーブルコインの総額も412億ドルと過去最多を記録したという。11月10日だけで10億ドルも流入したという。